国の借金である国債は今年度末でおよそ897兆円になる見通しで年々膨らんでいます。日銀の黒田総裁も安倍総理大臣も困り顔です。

こうした日本の状況を肯定するかのようなある理論が話題となっています。
それが、
自国の通貨を発行して借金を返せばいい。財政赤字は問題ではない。

という考え方です。
いくら借金をしても新たにお金を発行すればその借金は返せるということです。ちょっと極端な気もします。
この考え方は「MMT」と呼ばれています。これは「Modern Monetary Theory」の頭文字を取ったもので現代貨幣理論と呼ばれるものです。

いまこれがアメリカで政界や学会を巻き込んでの大きな議論となっています。その提唱者の一人が来日して、MMTを実践すれば日本はもっと経済成長できると発言しました。

MMT
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FRBのパウエル議長、
MMTの詳細は把握していないが、「財政赤字は問題ではない」という考え方は全く間違っている。

FRB(連邦準備制度理事会)のパウエル議長はこう批判したMMT(現代貨幣理論)。

MMTでは自ら通貨を発行している国では財政赤字は予算の制約にならないという理論。
政府は財政赤字ではなくインフレやその原因となる需要や供給を注視すべきとしています。

アメリカでは地球温暖化対策や医療保険の充実などを進めたい議員などから支持を集めています。

また巨額の政府債務に苦しむ日本でも議論に。

日銀の黒田総裁、
MMTの財政赤字や債務残高を考慮しないという考え方は極端な主張であり、なかなか受け入れられないのではないか。

安倍総理、
債務残高対GDP比の安定的な引き下げを目指しているから、MMTの理論を実行しているということではない。

ステファニー・ケルトン教授
そんな中、MMTの提唱者の一人、ステファニー・ケルトン教授が来日し、記者会見を開きました。

現在の日本の経済をどう見ているのでしょうか?
日本がMMTをきちんと実践していたらもっと経済は成長していただろう。

「MMTの理論でいけば国の借金を返すための消費増税は不要?」
That's correct.

「インフレが急激に進んだ時、引き締めに転換できるのか?」

現在の日本で政府の支出増加がインフレを招くと考えている人はいない。

民間支出を増やすことでインフレになる状況ではないし、輸出増で日本の生産能力不足を懸念する人はいない。

会見を聞いた滝田キャスターは、この財政政策を重視する主張に注目したといいます。

政府・日銀ではMMTは極端な主張だという意見もありますが…

彼女の主張は意外にオーソドックスなケインズ主義な考え方。つまり景気の改善にが悪くなったら財政出動するという考え方に近いと思う。次に景気が悪くなったときには経済政策の表舞台に出てきてもおかしくないような主張だという印象を持ちました。今の時点からメリット・デメリットを含めて正面から議論していくべき考え方だと思います。
