かっぱ寿司
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東京・浅草。「かっぱ寿司 鮨ノ場浅草新仲見世店」には外国人客が多く訪れます。
実は最近、外国人に人気のネタが「ブリ」。
カナダ人観光客は、
サーモンよりもとても肉厚。
タイからやって来た3人が食べているのもブリです。
ブリね、好きよ。脂が乗っているから。
マグロ、サーモンに次いで外国人に人気の高いブリ。
しかし海外への輸出にはある大きな課題がありました。
大手商社が目を付けたワケ…
株式会社宇和島海道
ブリの養殖で有名な愛媛県宇和島。その近くで一つのプロジェクトが動いていました。
やって来たのは三井物産株式会社の四国支店、小林英輔さん(27歳)。入社4年目の小林英輔さん、地方の中小企業2社と共に新たな会社を立ち上げました。
それが宇和島のブリを養殖してある特殊な加工をして販売する株式会社宇和島海道。
三井物産株式会社が手を組んだのは新潟に拠点があり魚の加工技術を持つ株式会社オンスイと宇和島の養殖会社、株式会社ダイニチです。
株式会社ダイニチの水産事業部、下田和彦リーダーは、
養殖業の拡大に一石投じられるのではないか。
株式会社オンスイの桜井健一社長は、
一つの大きな開発事業でもある。
そして三井物産株式会社は販売を担当します。
今まで三井物産ができていなかった部分。地場で競争力のある会社と組んで国内、あるいは海外展開へ向けた新しい売っていくビジネスを展開する。
三井物産株式会社
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実はいま、三井物産株式会社は埋もれた「地方の技術」の発掘に力を入れています。
虫歯菌を抑制するといわれる乳酸菌を使った商品「UHAデンタクリア」。広島大学が持つ技術と味覚糖株式会社を三井物産株式会社が結び付けて製品化しました。
ブリ
株式会社宇和島海道で販売するブリは一体どんなモノなのか?
出てきたのは冷凍のブリです。
通常の締め方で冷凍すると血液が酸化して味が落ちる。このブリは冷凍前と同じような鮮度で食べられる。
実はブリは変色がしやすく一般的には冷凍には向かないとされています。
一般的に朝捕れたばかりのブリは鮮度を保つために神経抜きと呼ばれる作業をした後に血抜き、その後に氷を詰めた箱に入れて、その日のうちに東京の料亭などに運ばれます。
株式会社かどやが運営する「かどや虎ノ門」の小俣匠料理長は、
毎日空輸で届けてもらっている。
「コストはかかる?」
かかってます。正直。
新鮮なブリの流通にはコストがかかる上に冷蔵のままでは遠くには届けることができません。
だが、株式会社宇和島海道が持つブリの冷凍技術ならそれが可能だといいます。
冷凍でも美味しく!「謎の技術と」は?
超冷薫
使うのは「超冷薫(ちょうれいくん)」という技術です。
まず特殊な方法でブリを血抜き。
株式会社オンスイの桜井健一社長は、
一般的な締めだと魚体に血が残ってしまう。うちの技術だと毛細血管の血液まで100%抜ける。
ほぼ完全に血を除去した後、ある処理を行います。
血液とくん液を入れ替えている。
ブリに注入するのが「くん液」。木材を燻した煙から取り出した液体です。
ブリの体内から血を抜くのと同時にくん液を入れることで鮮度が保たれるといいます。
通常のものと比べ超冷薫で処理をしたブリは身が白いのが分かります。
通常のものは血が出てくる。超冷薫の方は完全に血が抜けている。
超冷薫の加工をしてから冷凍すれば解凍した時の生臭さがなくなるといいます。
ブリは冷蔵でも2日間ほどしか持ちませんが、冷凍(超冷薫)であれば約2年が可能です。
実際、どれくらい味が違うのか?
同じ時期に冷凍した超冷薫のブリと未加工のブリ。この2つを東京に送ります。
翌日、東京に届いたブリを同時に解凍。果たして味は?
相内優香キャスターが試食します。
通常のブリは噛めば噛むほど生臭さが口の中に残ります。超冷薫の処理をしたブリは色も真っ白できれいです。噛んだ瞬間から全然違う。脂のノリがすごくて生臭さもありません。
スーパーマーケット・トレードショー
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先週開かれた企業向けの商品展示会。ここで三井物産株式会社の四国支店、小林英輔さんは超冷薫のブリを売り込もうとしていました。
こういう機会が一番知ってもらうためのチャンス。
この日はブリを寿司にして提供。
すごく美味しい。
冷凍なんですか?
午後になってブースにやって来たのは株式会社三越伊勢丹フードサービスの惣菜・ベーカリーグループ長、中川修さん。超冷薫のブリの評判を聞きつけやって来ました。
小林英輔さん、早速ブリをアピール。
冷凍して解凍した後のブリ。生臭さを感じないと思う。
脂がのっているからいい。白身は冷凍で使いづらかった。変色も早いし。選択肢の一つとしてあるのではないか。
さらに外国人の姿もあります。アルゼンチンから来た男性は飲食業界の関係者です。
冷凍だと知らずに食べたが風味は完璧に感じられた。とても美味しい。アルゼンチンでも大きなビジネスチャンスがあると思う。
超冷薫の技術で日本のブリが世界各国で食べられる日は来るのか?
小林英輔さんは、
十分手応えはつかんでいる。これから日本食の拡大と共に、日本の固有の魚であるブリは十分広がっていくのではないか。