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[WBS] 三菱自動車工業と電撃提携!カルロス・ゴーン社長が生出演!

2016年5月13日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

燃費改ざん問題で信頼を失った三菱自動車工業株式会社に出資をする日産自動車株式会社の狙いは?

三菱自動車工業株式会社

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2016年5月12日16時、日産自動車株式会社のカルロス・ゴーン社長と三菱自動車工業株式会社の益子修会長がカメラの前に姿を見せました。

カルロス・ゴーン社長は

提携は両者にとってウィンウィンになりうる。私たちには成功の実績がある。

益子修会長は

日産自動車株式会社との資本業務提携は信頼の回復、経営の安定を目指す上で重要な道筋。

5月12日、日産自動車株式会社は2,370億円を投じ三菱自動車工業株式会社の株の34%を取得すると発表しました。

つまり三菱自動車工業株式会社は今後、日産自動車株式会社の傘下で再建を目指すことになりました。

これにより日産自動車、三菱自動車工業、ルノーを合わせた世界での販売台数はトヨタやフォルクスワーゲンに迫る規模になります。

今回の出資を考えた時期は?

明らかに今回の事象で早まった。

株式市場

三菱自動車工業株式会社の株に投資家が殺到しました。

5月12日はストップ高の575円。

水島製作所

三菱自動車工業株式会社の工場のある岡山で従業員は

なるようにしかならん。

歴史的シナリオを描いたのは誰なのか?
カルロス・ゴーン社長が全てを語ります。

カルロス・ゴーン社長

日産自動車株式会社が事実上、三菱自動車工業株式会社を傘下に入れる決断をしました。

その決断の裏には何があったのか?

今回の出資をするという大きな決断。
その引き金は三菱自動車工業株式会社の燃費不正問題です。

経緯

4月20日
三菱自動車工業株式会社の燃費不正が発覚。
4月21日
国土交通省が三菱自動車工業株式会社の事務所を検査
5月2日
国土交通省が燃費データの測定を開始
5月11日
三菱自動車工業株式会社の益子修会長が謝罪
5月12日
日産自動車株式会社が三菱自動車工業株式会社へ出資を発表

不正発覚から約3週間、不正問題の全容の解明もしていない、損失の規模も不明な状態で出資を決めた理由は

長い間、三菱自動車工業株式会社とは一緒にやっている。軽自動車の協力は2011年から始まっている。益子修会長との関係も長期にわたる良い関係です。
不幸な事象が起こりました。日産自動車株式会社のエンジニアが三菱自動車工業株式会社のエンジニアに数字に差があると伝えたことから全てがスタートしました。こんなことになるとは誰も予想してなかった。
益子修会長はこの状況を何とかしようと真剣に対応していました。根っこの理由に対処しようとしていた。トップの経営陣が状況に対処しようとしていた。
われわれは三菱自動車工業株式会社と協力を拡大しようと話はしていました。緊急性のない話でした。
今回のことが起こったことにより三菱自動車工業株式会社は2つのチャレンジが必要になりました。短期的には信頼を失墜したことへのチャレンジ。長期的には企業が継続できるかどうかのチャレンジです。
そこから話が始まりました。
われわれはすぐに行動しようと思いました。なぜなら透明性を持ちたかったからです。
原理原則だけ合意のではなく、日産自動車と三菱自動車工業の壁を壊し、会社の関係者全員にわれわれがどんな意図を持っているかを知って欲しかった。
細かい部分はあとで詰めようとなり、覚書だけを交わしました。
取引をするためには数字などを精査する必要がありました、当局との許可などを得た上で全体が分かりました。
日本国外でもどうなっているかも知る必要がありました。
益子修会長の言うことに疑いは持っていません。彼が知っていることは海外では問題がなく問題は日本国内だけといってくれました。
それを聞いた上でわれわれはサポートしたいと思ったのです。

三菱自動車工業株式会社と縁を切る考えはなかった?

損をする立場だから不快でした。しかし三菱自動車工業は日産自動車に補償をしてくれると言った。そして助けてくれと言われた。こういう状況だから協力しようとなったのです。パートナーだからやりたいと思ったのです。

中西孝樹代表

自動車業界の動向に詳しい株式会社ナカニシ自動車産業リサーチの中西孝樹代表は

三菱自動車工業株式会社にとって経営の先行きが不透明だった。日産自動車株式会社にとっても皆が丸く収まる解決策を提示した。

燃費データの不正問題で信頼を失墜させた代償は三菱自動車工業株式会社に重くのしかかっています。

4月の軽自動車の国内販売台数は前年の44.9%減の1,477台と約半分になりました。

日産自動車株式会社が手を差し伸べた理由は

アジアでは日産自動車株式会社が苦戦している。タイやインドネシアで三菱自動車工業株式会社は強いブランドバリューを持っている。

三菱自動車工業株式会社のパジェロなどのSUV車はタイやインドネシアで人気が高く日産自動車株式会社にはない販売網を手に入れることができます。

さらに両社は5年前から軽自動車を共同開発していますが、今後は電気自動車や自動運転社の開発でも協力することでコストの削減につながります。

日産自動車株式会社はうまいタイミングで話を決めてきた。三菱自動車工業株式会社の経営権を握るのに2,300億円程度の資金でできる。経済的にメリットがある。タイミングをうまくついてきたのは、さすがカルロス・ゴーン氏だという印象。

カルロス・ゴーン社長

うまいタイミングだったと思いますか?

タイミングはこちらが選んでいない。タイミングは危機の後にやってきた。危機を脱するために決定をしなければならなかった。三菱自動車工業株式会社に協力するのか、しないのか。経済的な理由で協力を決めたわけではなく社会的理由でも決めた。トラブルは社会に大きな心配を与える。サプライヤー、社員、ディーラー、工場のある町が心配します。だから決定は早くしなければいけなかった。

この流れは不正が発覚してから考えた?

われわれは燃費データの数字に差があることを見つけただけ。三菱自動車工業株式会社のエンジニアに説明を求めただけです。

三菱自動車工業株式会社のブランドを残した理由

人のやる気は会社やブランド、歴史によって保たれる。ブランドがなくなるとやる気が失われる。結果的にベストを発揮できない。三菱自動車工業株式会社の人は会社、ブランドが好きで自分たちのアイデンティティを持っていることを知りました。ブランドが海外、特に東南アジアで強い。それを再構築、強化するを選択した。

世界のトップ3に肉薄したことについて

4位はいい順位です。チャレンジャーですから、やる気が出ます。魅力的な車を作った結果です。いい仕事をすれば、魅力的な車を作れば、サービスをちゃんとした結果です。それをしなければ下のほうにいました。社員に集中してほしいのはこの先に何があるかです。魅力的な背後にはサービス、信頼、経営が良いかどうか、そういったことに集中して欲しい。トヨタやフォルクスワーゲン、ゼネラル・モーターズが偶然この順位にいるわけではない。一生懸命したからこの順位なんです。われわれもそれに値する仕事をしなければいけません。

トヨタと互角に戦いたい?

私たちは消費者の注意を求めて戦っている。消費者に選んで欲しい。その結果上の方に行けるということです。

課題

今回の不正の根底に有るのは三菱自動車工業株式会社の隠蔽体質です。

4月26日の会見で中尾龍吾副社長は

1991年に惰行法を採用することに変わった。日本向けは惰行法で測定すべきところ、それをしなかった。

軽自動車4車種の燃費データに加え、25年間も違法な燃費測定をしていたことが発覚しました。

2000年と2004年の2度のリコール隠しで経営危機に陥った三菱自動車工業株式会社。

その時は三菱グループが6,000億円を出資して再建の道を進んでいました。

しかし、その間も不正は続いていました。

今回は三菱グループの反応も冷ややかでした。

三菱重工業株式会社の宮永俊一社長は

三菱重工業株式会社に支援要請は来ていない。

今回の提携で日産自動車株式会社は三菱重工業株式会社の20%を抜いて三菱自動車工業株式会社の株式の34%を保有して筆頭株主になりました。

カルロス・ゴーン社長は

今回の合意で取締役会の3分の1は日産自動車株式会社から派遣し、会長も日産自動車株式会社から送り込む。これは支配ではなく一緒に手を組むということだ。

今後、日産自動車株式会社から役員を派遣して経営体質の改善にも関わります。
日産自動車株式会社は三菱自動車工業株式会社を変えることはできるのか?

カルロス・ゴーン社長

三菱グループとの関係は?

三菱グループは全てを知っています、交渉は透明ですから。三菱グループの承認なしでは何も決められない。三菱グループには残ってくれと、そして強く株を保有して欲しいと、三菱グループと日産自動車株式会社が保有する株は50%以上になります。

三菱グループとやりたいこと

いろんなチャンスがあります。しかし今は集中するのは三菱自動車工業株式会社です。われわれの業界ですから、何をしなければいけないかも分かっています。われわれも会社を再建しました。三菱自動車工業株式会社が持っている問題も、われわれも持っていました。理解して欲しいのは日産自動車株式会社が三菱自動車工業株式会社を変えるのではなく三菱自動車工業株式会社が自分で変わるのです。そうでなければ持続性のある変化にはなりません。

三菱自動車工業株式会社の体制を変えるためには?

役員も派遣しますし取締役会にも派遣します。サポートもします。でもリスクとチャンスに注目して欲しい。益子修会長から人材を派遣して欲しいと言われるかもしれない。すでにエンジニアを助けて欲しいと言われています。それはサポートします。でも全ては益子修会長がやらなければいけません。彼にサポートをするのがわれわれの役割です。お互いのアイデンティティを尊重する必要があります。

三菱自動車工業株式会社はどのくらいで変わる?

それは長いプロセスです。そのプロセスで三菱自動車工業株式会社の強みを生かすのです。同時に経営陣に手を貸して弱点を克服するのです。日産自動車株式会社も変わりました。2016年の日産自動車株式会社は1991年の日産自動車株式会社とは全然違います。数字だけでなくモノの考え方が違います。日産自動車株式会社が日産自動車株式会社のためにやりました。それを再現することはできますが、三菱自動車工業株式会社がやらなければいけません。

三菱自動車工業株式会社の魅力は

東南アジアで強いということです。プラグインハイブリッドなど面白い技術も持っています。

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