9月7日に発表された三菱ふそうのEV(電気自動車)のトラック。世界中でCO2削減に向けてEV化が加速する中、日本は出遅れている状況です。トラックのEV化は進むのでしょうか。
小型トラックEV化進む?
三菱ふそう 選べる28種類
大音量とともに登場したのは三菱ふそうトラック・バスが発表した「eキャンター」。5年前に発売した国内初の小型ECトラックをフルモデルチェンジ。来年発売します。
三菱ふそうトラック・バス
カール・デッペン社長
次世代型eキャンターはラストワンマイルや拠点間配送などさまざまな用途に対応できる。
三菱ふそうは今回、小型から中型トラックの領域で車体の長さや幅、バッテリーの容量などが異なる28種類のラインナップを用意。
容量41kWhのバッテリーを最大3個まで選べるモジュール方式を採用。
積載量1トンから2トンの最も小さいトラックは搭載バッテリーを1個にすることで航続距離およそ80キロメートルと低価格を両立させます。
一方、バッテリー3個搭載の航続距離はおよそ200キロメートル。遠距離の輸送ニーズに対応します。
現在、ドイツのダイムラートラックの傘下となっている三菱ふそう。ライバルとの競争に勝つ秘策については…
三菱ふそうトラック・バス
カール・デッペン社長
購入や維持のトータルコストを含め、競争力があるパッケージでお客様に最上級のサポートを提供できる。
こうしたEVトラックの販売先のひとつが物流業界。いまEV導入の動きが加速しています。
導入相次ぐ"物流"あの問題は…
去年、佐川急便が披露した小型車両。ベンチャー企業と共同開発しているEVの試作車です。製造は中国の自動車メーカーに委託。
佐川では配送用の軽自動車7,200台を2030年までにEVに置き換える計画です。
首都圏で即日配送などを手がけるSBSホールディングスも中国で製造されるEVトラックを長期的に1万台導入する計画を掲げています。
一方、宅配便の取扱個数でトップのシェアを誇るヤマト運輸が導入するのは国内メーカー「日野自動車」のEVトラックです。
ヤマト運輸
グリーンイノベーション開発部
小澤直人マネージャー
一番の特徴は床が低いところでワンステップで乗り降りできる。
ヤマトが導入を進めている日野自動車のEVトラックは今年6月に発売されたもの。荷台の高さは一般的なトラックの半分ほどとなるおよそ40センチメートルで体の小さい女性ドライバーなどから好評だといいます。
さらに…
ヤマト運輸
グリーンイノベーション開発部
小澤直人マネージャー
運転席から荷室まで降りることなく一気通貫でアクセスできるのが特徴。
働くドライバーの負担軽減も含めて効率性の高いもの。
ヤマトは2030年までにEVトラックを2万台導入する予定。日野自動車が有力なパートナーですが…
日野自動車
小木曽聡社長
誠に申し訳ございません。
その日野はエンジン車で相次ぐ性能試験の不正が明るみに。
EV車は不正の対象になっていませんがヤマトの導入計画に影響はないのでしょうか。
ヤマト運輸
グリーンイノベーション開発部
小澤直人マネージャー
特に影響はないと聞いている。実際の納車も今のところは問題ない。
番組スタッフ
長期的な視点で不安はあるか?
ヤマト運輸
グリーンイノベーション開発部
小澤直人マネージャー
長い付き合いをしている企業なので早く信頼を取り戻してほしい。