日本の探査機「はやぶさ2」が小惑星のりゅうぐうから持ち帰った砂からアミノ酸が検出されたことが分かりました。生命の源と呼ばれるアミノ酸が地球の外で見つかったことで、私たち生命の誕生にまつわる大きな謎の解明に近づくかもしれません。
惑星「りゅうぐう」からアミノ酸!生命のルーツ 地球外生命体も?
宇宙飛行士の毛利衛さん。6月6日にWBSの取材に応じました。
日本科学未来館
毛利衛名誉館長
ワクワクする。率直な話、今まで地球の生命の起源がどこだったのか、地球の海底か宇宙からやってきたのか、宇宙から隕石でやってきたという可能性が大きくなった。
2019年に地球と火星の間を回る小惑星りゅうぐうに到着した惑星探査機はやぶさ、表面や内部から砂を採取することに成功しました。
その翌年の2020年、はやぶさは5.4gの物質が入ったカプセルを地球に投下。
その後、国内外で分析が進みました。
そして…
生命の源 アミノ酸を検出
関係者への取材によるとりゅうぐうの砂から20種類を超えるアミノ酸が検出されたことが分かりました。
この発見にはどのような意味があるのでしょうか。
早稲田大学 人間科学学術院
赤沼 哲史教授
これはアミノ酸の模型。黒が炭素、灰色が窒素。
アミノ酸は水とならび生命に不可欠な物質で私たちの体をつくるタンパク質のもととなるため生命の源とも呼ばれています。
これまでアミノ酸をめぐっては地球上で形成されたとする仮説と宇宙で形成されて隕石などによって地球に飛来してきたという仮説がありましたが、その宇宙からの飛来説の可能性が高まったといえます。
早稲田大学 人間科学学術院
赤沼 哲史教授
アミノ酸は宇宙空間で比較的簡単に合成されうる分子じゃないかと。
それを使って生命が誕生したというのはある意味合理的なシナリオかなと思う。
今回の発見でもう一つ注目されることがあります。
早稲田大学 人間科学学術院
赤沼 哲史教授
今回の発表を待たず、宇宙におそらく生命はいるだろうと考えている。
いろいろな種類のアミノ酸が宇宙に普遍的にいるとすれば地球外生命も代謝のためタンパク質を使っている可能性もある。
同じような遺伝の仕組みを持ってる可能性もある。
日本科学未来館
毛利衛名誉館長
初めて宇宙からきたものに生命の源があると分かったので、宇宙にはどこに生命がいても良い。
しかし、生命が発生するような地球のような環境、水も温度もあるところに進化が、環境があってますます地球の環境が生命の発展に大切かがわかる。