「ふちこの突撃マーケット」です。
今回のテーマは「味のデータが価値を生む!?『フードNFT』」です。NFTは最近よく聞きますが、デジタルアートなどをブロックチェーン技術によってそれが唯一のものと証明する技術です。そんなNFTですが食べ物の味をデータ化して、それとレシピを組み合わせて、それをNFT化したというフードNFTというものを広めようという動きがあります。このフードNFTが広がると私たちの食はどう変わるのでしょうか。
味の保存で"食"を変える?
片渕茜キャスター
今回は味香り戦略研究所にお邪魔します。
こちらは味のデータ分析を行っている企業です。
冷蔵庫から取り出したのは
味香り戦略研究所 マーケティング本部長
平田和詩さん
こちらを飲んでみてください。
渡されたのはA、B、C、Dの4種類の液体です。見た目は透明で水みたいです。
この中のひとつを飲んでみると…
片渕茜キャスター
甘い!甘い!
フルーツ系の何かのような味がする。ぶどう?
味香り戦略研究所 マーケティング本部長
平田和詩さん
こちらは梅酒。
においは一切しない。味だけを構成して液体状の透明にしている。
片渕茜キャスター
梅酒を脱色したわけではない?
水に味をつけた?
味香り戦略研究所 マーケティング本部長
平田和詩さん
人工的に梅酒の味を作っているイメージ。
あとの3つはトマトとビールとインスタント麺でした。におい無しで味だけなのでなかなか何の味か当てれませんでしたが、言われてみればどれも確かにその味でした。
この他にもピザやカレー、だし巻き卵などすでに10万を超える食べ物の味を数値化したということです。
片渕茜キャスター
そもそも味を「数値化」するというのはどうやって行っている?
味香り戦略研究所 マーケティング本部長
平田和詩さん
いま奥にあるが味覚センサーというものを使っている。
こちらの味覚センサーを使っておいしさの形成要素となるうま味・苦味・塩味・甘味の5つを含む13種類の味覚を分析します。
先端についているセンサーヘッドといわれる部分で食べ物を液体にしたものを測ることで人間の舌がどう感じるかをデータ化できるということです。人間の舌と同じ役割をしているということです。
このように数値化した味を詳細なレシピと組み合わせたものがフードNFTです。
普及に向けて複数の企業で「フードNFTコンソーシアム」を作りました。
背景には本当に価値のある味をできるだけ正確に残したいという思いがありました。
味香り戦略研究所 マーケティング本部長
平田和詩さん
ミシュランの料理人や一子相伝の味など、そういうものは価値があってしかるべき。
今後、世の中に残った方がいいもの、NFT化することでほぼ恒久的に世の中に残るようなデータとして保存されるし、そのデータが唯一無二のものであってり数が限られているもの。
例えば5個しかこの世に存在しないことが証明できるのでNFTに注目している。
実際にこの仕組みを活用してフードNFT第1号が誕生しました。
それが「ケトサポート」というチョコレートです。砂糖を使わず健康志向を売りに国内外で販売されています。
実際のNFTの画面を少しだけ見せてくださいました。
味香り戦略研究所 マーケティング本部長
平田和詩さん
このNFTの特徴というか情報が上に出てくる。
こちらのNFT、今は販売に向けて準備中です。
このチョコレートのメーカーがフードNFTという形を選んだ背景には「世界の工場で作ってもらいたい」という狙いが。
セディカル
宮田和季社長
そこ(工場)にNFTのライセンスを購入してもらい、製造委託したり、直接販売してもらうことが可能になる。
世界中の人々が特徴のあるチョコレートを楽しめるようになることを期待している。
普及に向けて動き始めたフードNFT。今後はNFT自体の質を担保することがカギだといいます。
味香り戦略研究所 マーケティング本部長
平田和詩さん
片渕さんもNFTを作ろうと思ったら作ることができる。
レシピデータを載せて「これが私の食べた味の感想です」と載せればNFT化はできる。
味の再現性を担保できる機関であることを証明しないといけない。
それができるものしかNFT化してはダメ。
新しい取り組みなのでどういうふうに注目してくれるか。
味を後世に保存することができたら面白い。