厚生年金を受け取れる人の数は年々増加し、1965年度には60万人でしたが今やおよそ4,000万人です。

一方、人口減少で今後年金を支払う人は少なくなっていきます。そこで政府は年金を受け取る側である高齢者に働いてもらい、年金を受け取りながら同時に年金を支払ってもらおうと考えています。一体どういうことなのでしょうか?

厚生労働省
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11月13日午後、年金に関する厚生労働省の専門家会議が開かれました。

ここで示されたのが働く高齢者の年金の見直し案です。

実は働いている高齢者は一月8万8,000円以上の給与がある場合、原則として70歳まで厚生年金を支払わなければいけません。

さらに一定の収入を超えるともらえる年金額が減らされてしまいます。

その年金基準額は60歳から64歳までは月平均の給与と厚生年金の合計額が28万円。65歳以上は47万円となっています。

例えば月々の給与が44万円で厚生年金の支給額が7万円のAさん(65歳)。

いまの基準額47万円を4万円超えているため、超えた年金の半分2万円がもらえなくなってしまいます。


それが今回の見直し案で基準額が51万円に。

合計額で51万円を超えないAさんは年金を満額で受け取れるようになるのです。

政府の狙いは多くの高齢者に働いてもらうこと。

社会保障を支える側に回ってほしいのです。
街の声
72歳の男性、
上げた方がいいと思うが何とも言いようがない。

67歳の男性、
働く気持ちは出ると思う。

どこまでできるか、できるところまでやって駄目になったらしょうがない。ある意味もらい得な部分。

ただ厚労省の資料によると基準額がこの案で引き上げられた場合、年金支給額がおよそ4,000億円増えるといいます。

そのツケは若い世代に回る可能性も…
30歳の男性、
その割を自分たちが食うのは喜べる状況ではない。

26歳の男性、
もらえるものはもらいたいという気持ちがある。持続可能な制度作りをしてほしい。

経済界の反応
疑問の声は経済界からも聞こえてきます。
経団連の中西宏明会長、
高齢者に手厚く、現役世代に薄い制度を是正しないといけない。

経済同友会の櫻田謙悟代表理事、
本当に働く意欲につながっているか、しっかり調査した上で対応すべき。
政府は年内に見直し案を取りまとめる方針ですが、財源の確保など課題は山積みです。
