メガネの生産地といえばシェア90%以上を誇る福井県鯖江市がですが、ここ数年は1万円を切る低価格帯の量販店で扱う中国産に押しやられているのが現状です。
そうした状況を打破しようと鯖江市で20年ぶりにメガネメッセが開かれました。
そこには高価格路線や技術革新など鯖江ブランド復権に向けた取り組みがありました。
サバエメガネメッセ2016
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福井県鯖江市でメガネの大型展示会メガネメッセが開催されました。
会場には1分間にメガネをいくつかけられるかを競うメガネリンピックや子連れでも楽しめるメガネのデコレーションなどができました。
企業ブースではプライバシーを保護するため、顔認証に引っ掛からないメガネや軽くて強度の高い金属のチタンを使用することで折れにくいメガネなど日本の高い技術力を生かした様々な商品が展示されていました。
こうしたサバエのメガネを改めてPRするにはワケがありました。
福井県眼鏡協会の山岸充さんは
この15年はファストファッションの流行でメード・イン・チャイナの低価格メガネがはやり、中国に生産が移行してしまった。
メガネ市場
国内のメガネ市場は2000年頃から激変します。
1万円以下の割安メガネが若い人たちを中心に流行。
この20年でメガネ1本の平均価格は約3割下がりました。
国産フレームの約95%を生産する鯖江市は中国とのコスト競争にさらされ受注が減少します。
最盛期に900社近くあったメガネ関連企業のうち300社以上が廃業・倒産になりました。
こうしたことを受け企業に新たな動きがあります。
水島眼鏡株式会社
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創業75年の鯖江市でメガネを作り続ける水島眼鏡株式会社。
水嶌基博社長は
「MIZ JAPAN」というブランドを広めないと存在価値がなくなりただの下請けになる。
これまで受注生産に頼ってきましたが、会社を存続させるため18金やオパールなどを使用した独自ブランドを立ち上げました。
新商品の価格は69万3,000円。
6月から販売予定で、すでに約100件の予約が入っています。
有限会社ブジッヂコーポレーション
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高級路線ではなく技術力を生かし販路の拡大を模索する企業もあります。
有限会社ブジッヂコーポレーションの斉藤宏さんは
ここに鼻パッドをつけた今までにないメガネ。
看板商品は鼻パッドがないないメガネです。
こめかみ部分でメガネを支えることで鼻の痛みを解消し跡を残しません。
機能性に特化した独自ブランドにより売上は4倍近く増えました。
普通のメガネだと価格とデザインの勝負。小さい会社は体力が持たない。僕らは特殊商材なのでライバルはいない。
こうした企業の努力によりメガネの出荷額は底揺れの兆し見せています。
しかし新たな課題もあります。
メガネ作りの仕上げに欠かせない職人の育成です。
やすりは5年、磨き10年というのがこの世界。若い人が根気よくやるのは難しい。
この課題を解決するために県を上げてメガネの町、鯖江市の魅力を伝えていく考えです。
福井県眼鏡協会の山岸充さんは
若者に向けモノづくりはかっこいいとインターネットなどを使い発信していきたい。