[WBS] 診療データが患者のものに!?診療の重複と医療費高騰を防ぐ!

ワールドビジネスサテライト(WBS)

病院で診察を受けた際の診療データは誰のものかというニュースです。

皆さんはこのような経験はないでしょうか?

近所の診療所に行って採血とCT、レントゲンの検査を受けました。

その1週間後、違う病院に行って同じように採血とCTも受けることになりました。CTは近所の診療所とたいして変わらないのにまったく同じ高額な値段がかかってしまいました。

このように病院を掛け持ちすると個人の医療費の高騰にもつながります。もし、個人の診療データを自分自身で持っていたら医療費の負担は減らせるのではないか。そんな新たな取り組みが始まっています。

社会福祉法人大雄会

愛知県一宮市にある総合大雄会病院。地域医療の中核を担う総合病院です。

その病院の中に設けられた「カルテコ」の案内所。

カルテコとは医師の診察内容を患者が自身のパソコンやスマートフォンで確認できるサービスです。

患者自身がどんなことを確認できるのか、このサービスを利用している林直美さんに見せてもらいました。

頭の検査なんですけども・・・

林さんの頭の断面映像。CT検査で撮影されたものです。

ほかにも血液検査の結果や処方された薬の種類や効能などについても患者が簡単に知ることができます。

林さんはこのサービスは医師とのコミュニケーションや他の病院に行ったときにも役に立つといいます。

医者を前にすると言いたいことが飛んでしまう。

他の病院に行った時に、いつ行ったか、どういう症状か言えるし、これ(カルテコ)を出しても良いですし。

こうした診察情報はPHR(パーソナルヘルスレコード)と呼ばれる医療データを集積したものです。

総合大雄会病院では今年3月末に導入し、すでに1,000人以上が利用しています。

病院側が導入を決めた理由は・・・

総合大雄会病院の高田基志副院長、

患者と医療者のコミュニケーションツール。

いかに円滑に齟齬なくコミュニケーションを促すかが目的。

医師が想像している患者の分からないことと実際に患者が分からないことは違うかもしれない。

そこをシステムが埋めてくれるかもしれない。

社会医療法人社団慈生会

5月22日、東京・足立区の総合病院が同じシステムの導入を決め記者会見を行いました。

等潤病院の伊藤雅史院長、

カルテコはデータセンター型。全国の医療機関情報を集約する究極のデータセンター型の医療連携システムになる。

この病院は病床数164を持つ地域の中核病院。

しかし、導入費用は2,000万円、月額費用は50万円で済むといいます。

メディカル・データ・ビジョン株式会社

このシステムを開発した会社の社長は・・・

メディカル・データ・ビジョンの岩崎博之社長、

カルテって何で個人に返らないんだろう。

メディカル・データ・ビジョンは医療の電子化と個人が医療情報を持てるPHRの推進を掲げ2003年に設立。このシステムが採用されたのは全国で7番目です。

ただシステムの広がり方は想定より遅く、協力病院を増やすことに苦労しているといいます。

導入が進まない理由について病院の院長は、

医師の中にはこれ(カルテのデータ)を訴訟に使われるんじゃないか危惧する人がいる。

病院間の連携であっても今まで進まなかった現実がある。

それを国に期待することも今はできない。

医師の中には医療情報の電子化に抵抗する声もあり、国の動きも遅いためと説明しました。

ただ岩崎社長は本人の医療データを個人がスマホで保存することが広まれば、ほかの病院の医師の意識も変えられると話します。

2025年までにデータの一元化を図ろうとしている。

CADA(カルテコのシステム)を多くの病院が入れていくことによって地域のネットワークができるという道も考えられる。

実は医療情報の電子化については政府は2020年度をめどに導入を進める方針を去年の骨太の方針に盛り込んでいました。

ところが厚生労働省に取材してみると、

コストを考えないといけないという専門家の意見は多い。

報告書をまとめるとかそんな段階ではない。とにかくこれから検討しますよ。

具体的なスケジュールはまだ何も決まっていないといいます。

一方で医療情報の電子化に向けて積極的な検討を進めているのが自民党です。塩恭久崎議員らはPHRなどを本格的に稼働させるため近く提言をまとめる方針です。

「行政と民間が一種の縦割りに?」

それは大変大事な問題なので今回の提言に入れ込んでいる。

PHRは来年から少なくとも検診情報を見られるようになるが、まだ薬の処方情報などは来年間に間に合わないので再来年できるようになる。

医療の情報を画像なども見られるようにプッシュしていく。党側として。