ホッチキス
1952年、この年に日米安全保障条約が発行されデモ隊と警官隊が衝突した血のメーデー事件が起こりました。
この怒涛の年にあるロングセラー商品が生まれました。
それが小型ホッチキス。
ホッチキスは毎日すごく使う。
今では当たり前に浸透しているホッチキス。
しかし、マックス株式会社のオフィスプロダクツ営業部、佐々木高行部長によると、
当時、ホッチキスがどういうものか世の中に知られていなかった。
マックス株式会社のホッチキスは国内シェアの7割以上を占め、現在、累計4億台が使われています。
発売から65年。ロングセラーの秘密に迫ります。
マックス株式会社
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マックス株式会社は1942年に創業した文具メーカーです。
世界最強と謳われたゼロ戦の尾翼の部品を作っていた会社です。
佐々木部長によると、
当時の技術としては金属を打って、抜いて、曲げる工程はレベルが高かったのではないか。
ホッチキスの国内製造
1946年、高い技術力を生かしアメリカ生まれのホッチキスの国内製造を始めました。
当時の販売価格は600円(現在の価値で約1万円に相当)。とても高価な品物でほとんど売れませんでした。
どうしたらホッチキスを広められるか?
当時の山田辰雄社長は頭を悩ませていました。
ある時、山田辰雄社長は知人からアメリカ土産をもらいました。そこには、
なんだこれは?
手の平サイズのホッチキス。あまりの小ささに驚いた山田辰雄社長は早速、開発を始めました。
そして尾翼づくりで培った金属の加工技術で小型化に成功。
価格も200円に抑えました。
日本初の小型ホッチキスの誕生です。
フラットクリンチホッチキス
ホッチキスをさらに広めるために学校向けにホッチキスで作る工作のパンフレットを配布したり、テレビCMも打ち出しました。
しかしライバル企業も次々に小型ホッチキスを販売。
売り上げは伸び悩みました。
そんな時に転機が起こります。
マックス株式会社の営業マンが見かけたのはホッチキスの針の裏をハンマーで潰している姿。
ホッチキスの針のせいで書類がかさばるためでした。
これだ!
そして作られたのが1987年発売のフラットクリンチホッチキスです。
とじ裏を平らにするホッチキス。書類をとじて重ねてもかさばらない。
世界で初めて開発。
通常のホッチキスと違い、針を平らな状態で閉じることができる世界初の製品です。
マックス株式会社は他にも金属針を使えない食品工場など向けの紙の針のホッチキスや小型にあるにもかかわらず紙を40枚留められるホッチキスを開発。
こうした新製品は必ず売り場で試せるようにしているといいます。
すごい軽い!
ロングセラーの極意
定番の商品だからこそ心掛けていることとは、
お客様のニーズをつかみ、驚きを感じてもらえる商品を出す。