スーツの1世帯あたりの年間支出額は減少傾向が続いていましたが、コロナ禍の去年は一層大きく落ち込みました。
テレワークの広がりでスーツ離れが進んでいるようですが、実はいまヒット商品が続々と登場しています。
一体なぜなのでしょうか。
株式会社松屋
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角谷暁子キャスター。
「銀座の男」市、たくさんのお客様が開催を待ちわびて、たくさん入っています。
松屋銀座で10月14日から始まったのはスーツの販売イベント。
買う機会は減った。
50年以上続く伝統の催しですが今回は大きな変化がありました。
松屋銀座本店の鈴木健一さん。
ゴルフ用品がここから一番奥まで。
売り場の3分の1をゴルフ用品が占めていました。
さらにゴルフクラブの試打スペースも。
去年コロナが始まってから非常に厳しくなっている。
6階のグゴルフ売り場の売り上げがここ数ヵ月2桁増、非常に可能性がある。
紳士服売り場ではこんな変化も。
洋服の間で驚いたと思うがコケのテラリウム。
売り場に並んでいたのはなんとコケ。
意外な組み合わせですがお客様は…
ふらっと来たら目に付いた。足を止めるきっかけになる。
また先月新たにフィットネス用品のレンタルサービスの店舗「ジム・クラウド」もオープン。
あの手この手で売り場にお客様を呼び込む狙いです。
外に出ない、着る機会がないので洋服がいらない。そこに対してどうきっかけを作るか。
スーツを巡る環境の変化に対応し、大胆に戦略を変えようとしているのが紳士服大手のAOKIです。
新たな柱に据えているのは…
AOKIホールディングスの青木彰宏社長。
「パジャマスーツ」を世の中の多くの方々に愛される新しい時代のカジュアルスーツとして力を入れていく。
AOKIの新たな看板商品「パジャマスーツ」。
店舗を訪ねると店頭に特設コーナーが設けられていました。
その特徴は…
田口智也記者。
非常に伸縮があって着やすい。普通のスーツとはまったく違うが、見た目はスーツという印象なので社内の会議、普段の業務、ちょっとした外出などにも1枚で対応できる印象。
ジャージ生地でパジャマのような着心地を追求する一方、スーツ作りのノウハウを生かした縫製技術でスーツとして使えるフォーマルな見た目を意識しました。
例えばリモート会議に参加した後、そのままリラックス用の部屋着としても使うことができます。
AOKIは去年、コロナによる働き方の変化で従来のスーツの販売着数が15%減少。
しかし、去年11月に発売したパジャマスーツは3万着を超える大ヒットとなりました。今後3年で100億円の売り上げを目指します。
「スーツ産業は衰退産業と捉えているか?」
私は捉えていません。
スーツ産業というカテゴリーの中でカジュアルとフォーマルしかない世界ではなく、うまく組み合わせていろいろなスタイルを提案できる。
スーツを作っている会社にとっては非常にチャンス。
ストレッチ性などを備え高機能のスーツ、いわゆるワークスーツの市場は今後210億円規模まで成長するとの予測もあります。
そのワークスーツで新たにスーツ市場に参入したのがワークマンです。
2月から水を弾く高機能な春夏用のスーツを販売していますが、すでに15万着が完売。
その人気を受け、秋冬モノとしてバージョンアップしたのがこちら。
林智博記者。
こちらの一見シンプルなジャケット、裏返しにするとパーカーに早変わりします。
作業服として使いやすいように腕をまくっても袖が落ちないよう袖口にボタンも付いています。
価格はジャケットが2,900円、パンツが1,900円。上下セットで4,800円です。
ワークマンの土屋哲雄専務。
2,900円が私どもにとっては常識の価格。それ以上になるとあまり作りたくない。
消耗品、仕事だから消耗品でたくさん買うなら安い方がいい。
そして世界で初めてというジャケットも新たに投入します。
背中と腰の部分に伝熱ヒーターを付けたジャケットです。
別売りのバッテリーを接続することで50度程度まで温度を上げることが可能。
電源を入れて5分後、温度を測定するカメラにはこれだけの違いが出ます。
普通のアパレルを売っているつもりはなくて、われわれは機能で売るスーツだ。