ビジネス関連 ワールドビジネスサテライト

[WBS]円安の影響で…中国産マツタケに異変…!?

ワールドビジネスサテライト(WBS)

円安が長引く中で秋の味覚「マツタケ」にもその影響が及んでいます。国内で消費されるマツタケのおよそ9割が輸入物でその内の7割が中国産です。国産のマツタケよりも手軽な値段で庶民の味方でもあった中国産のマツタケですがいま異変が起きています。

高くてもう買えない!?
中国産マツタケに異変

東京・恵比寿にあるミシュラン1つ星の天ぷら店「天ぷら 元末」。

そこで調理されていたのは秋の味覚、マツタケの天ぷらです。贅沢に1本丸ごと揚げるのがこちらの店のこだわり。

使っているマツタケは…

天ぷら 元末
元末和仁店主

岩手県産を使っている。400グラムで3万5,000円。

今年の国産マツタケは豊作傾向で品質もよく、大ぶりのものが比較的安く手に入るといいます。

実はこの店、去年までは品質の良い中国産マツタケを多く使っていましたが、今年からほぼ国産に切り替えたといいます。

その理由は…

天ぷら 元末
元末和仁店主

例年は中国産の良質なもので1キロ2万5,000円ぐらい。
今年は3万5,000円ぐらい。1万円ぐらい上がっている。
円安の影響でそれぐらい。

さらに都内のスーパーでも異変が…

スーパーイズミ
五味衛社長

安い。去年から比べたら3割安い。

いつもであればこの時期、中国産のマツタケが多く並びますが、いま店頭にあるのは国産のみ。

天ぷら 元末
元末和仁店主

今年はもっと高い。中国産の方が。
時代が変わったというかちょっと高すぎ。

お客さん

安くて当たり前って感じ、中国産は。なんて言うかおかしい感じがする。

中国産のマツタケの価格は近年ジワジワと上昇していましたが、今年は一気に去年の2倍に。

このスーパーでは中国産マツタケの価格が国産のものと変わらなくなったため中国産を仕入れなくなったといいます。

なぜ今年は中国からのマツタケがここまで高騰しているのでしょうか。

訪ねたのは主に中国産の野菜を輸入する卸業者「京栄ランド」です。

中国産野菜の卸売業者
京栄ランド
国本龍青常務

中国のマツタケです。
中国・雲南省から成田に届いて、きょう梱包・仕分けして出荷する。

今年はマツタケの一大生産地である中国・雲南省で雨が少なく不作となり、例年と比べ半分くらいの入荷量になっているといいます。そこに円安がさらに追い打ちをかけていました。

中国産野菜の卸売業者
京栄ランド
国本龍青常務

全部USドルで取引輸入品だから。
去年だと1ドル110円ぐらい。今年143円なので33円上がっている。
トータルで計算すると1キロで約5,000円くらい上がっている。

この業者では中国から輸入する際、取引はすべてドル建てで行っています。そのため円安がマツタケの輸入価格を直撃し、押し上げているのです。

中国産野菜の卸売業者
京栄ランド
国本龍青常務

企業努力はするが限度がある。
早く円高になってほしい。これ以上円安になると本当に困る。

-ビジネス関連, ワールドビジネスサテライト
-