儲かるお茶ビジネス 抹茶で130億円
老舗の伝統支える5人のウス職人!
儲かるお茶ビジネス。
続いてやって来たのは愛知県西尾市。
こちらの会社がお茶ビジネスで儲かっているらしいのですが…
なんだかスゴい建物!これは期待できそう。
株式会社あいやの杉田武男です。よろしくお願いします。
「どんなお茶ビジネスで儲かってる?」
お抹茶です。
あいやは1888年に創業し、今年で134年目になる抹茶メーカー。
「年商は?」
グループ全体で約130億円。
売上の90%がお抹茶。
抹茶で年商130億円ってでっかい!
でも何故か大きな売上げの割にはあいやって社名を聞いたことがないような…
茶道用の飲む抹茶もあるけど主に食品加工用の抹茶。
ドリンクやスイーツの原料としての抹茶を製造・販売しています。
そう、あいやさんは茶道用の飲む抹茶はもちろん、抹茶アイスや抹茶カステラなど抹茶味のお菓子を作る時用の食べる用の抹茶も作っていて、この売上げが結構デカい!さらに…
日本国内だけじゃなくて、輸出にも力を入れていて。
国内の出荷量と海外の輸出量が半分半分。
「海外でも抹茶が人気?」
日本と同じように食品加工の素材として注目されている。
いま世界ではお茶全般がブームになっていて、その輸出額は10年で4倍近くと右肩上がり!
しかも輸出額全体の6割以上が抹茶など粉末状のもの。
あいやさんはそのクオリティーの高い抹茶作りが世界的にも評価されて年130億円も売れているんです。
こちらの抹茶の多くは現在、抹茶粉砕設備という機械で作っているそうなんですが…
社長によると社内にはそんな抹茶づくりの原点ともいえる所があるという。
社内に5人の職人がいまして。
5人の職人?
本社の隣にその職人さんがいるとのことで伺ってみると…
「職人さんですか?」
茶臼職人の戸狩と申します。
そう、実はあいやの抹茶生産量の5%、茶道用などに使う高級な抹茶は今でも臼を使って挽くことで作られている。
この臼の性能が抹茶の味を大きく左右するということで…
自社で臼の職人を育てて作っているんです。
「何が難しい?」
上臼と下臼がピッタリ合わないと摩擦力が生まれないので、ヘリの部分を均一にとるのが難しい。
臼の表面はこんな風に溝が掘ってあり、上臼が回ることで茶葉が溝を通って外に挽かれていく。
この臼の表面、一見キレイな平面に見えるのですが…
実は中央部分がへこんでいる!
一番外側は上臼と下臼がピッタリくっつくようになっているので茶葉が外にいけばいくほど隙間は狭くなり、より細かく挽かれていくってワケ。
で、この隙間の作り方が実に微妙でメチャクチャ難しい。
感覚でこのくらいの石の硬さならこれくらい削れば良いとわかる。
しかも、あいやさんでは1,000台以上の茶臼を毎日動かしているので、使うほど臼も削れていく。
その臼をまた調整しての繰り返しなのでとっても大変。
しかも石の硬さは1つ1つ違うので機械ではなく、どうしても手作業になってしまうのだとか。
職人の経験と勘でしか作れない茶臼。
伝統を引き継ぐために新人教育にも力を入れていて…
茶臼職人 新人の近藤誠さん。
2年前まで抹茶の製造部にいたんですけど、臼の目立て職人の仕事はあいやの中でも憧れの部署。
会社に入った頃からやりたいと思っていた。
伝統的な茶臼の技術を130年前から受け継ぎ、これを生かした抹茶づくりを機械化することであいやは130億円を売り上げる巨大抹茶メーカーになったんですね。
抹茶でがっちり!