昼時、40席ある店内は満席。
入り口にも人、外にも人、行列ができていました。
一見どこにもある普通のとんかつ店のようですが…
ここのとんかつは普通ではありませんでした。
株式会社上上
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奈良にあるとんかつ店「まるかつ」。
広い店内に響く音が…
サク!
サクッというこの音。
さらに、
お肉がやわらかい。
ふわっとしてます。
「サクふわ」とんかつ
「サクサク」で「ふわふわ」、、この「サクふわ」なとんかつはどうやって作られるのか?
使っているのは旨みが強いアメリカ産の三元豚。
ふわふわを生み出す秘訣が…
まるかつの金子友則店長、
はい、いきますね。
肉をやわらかくするための筋切り。
この特殊な機械に縦横、2回通すと目に見えない筋まで一瞬で切れます。
これをすることで非常にやわらかく、どこから食べても筋が切れている状態。
そしてサクサクを可能にしているのがこだわりの揚げ方。
一般的な店より10度以上も低い160度ほどの油でじっくりと揚げます。
低温であげるのでサクサク感が出るのとゆっくり火を通すことで肉がやわらかくなる。
こうして衣がサクサク、肉はふわふわな「サクふわ」なとんかつが出来上がります。
人気のロースカツ定食(1,280円)。衣と肉が絶妙なハーモニーを奏でます。
何個でも食べられそう。
よく行く揚げ物の店とはちょっと違う。
いまや1日250人が訪れる行列店ですが、ここに来るまでの道のりは険しいものでした。
倒産の危機
つぶれかけたことが4回くらいあって、やめようかなと思ったことが何回かある。
店長の金子さんが店を開いたのが5年前。
大手チェーンに対抗しようと500円カツ丼を提供するなど低価格路線を展開。
しかし、いくらお客様が入っても赤字続き。
そんな時、金子さんが決死の覚悟で作ったものが…
このチラシ。とんかつの写真は一切なし。店の状況や思いなど本音を綴りました。
どれだけ一生懸命働いても赤字…
とんかつの味ならたいていのお店には負けない。
全ての思いを込めて書いて、近所の皆さんに配って、その日からお客さんがチラシを握りしめて「店長食べに来たよ」「応援しに来たよ、頑張って。」というのがずっと広がっていった。
店を応援したいと訪れた人たちがサクふわなとんかつに魅了され、再び店にやってくる。
低価格路線の時より値段を上げたにもかかわらず連日行列ができるようになりました。
無料食堂
そんな中、金子さんは今度は自分が誰かを応援したいと去年始めたのが無料食堂。
お金に困っている人に好きなものを無料で食べてもらうという取り組み。
この1年で260人ほどが利用したといいます。
困っている人に届くのか、いたずらが来ないか。
すごく悩んだ。
この取り組みを知った全国各地の人から応援の手紙が届きました。
おいしいものを作って提供する。
良い接客をする。お客さんに喜んでもらう。
そのことを忘れずに進んでいきたい。