アメリカのバイデン大統領と中国の習近平国家主席との首脳会談が始まりました。およそ4ヵ月ぶりとなる今回の会談の最大のテーマは軍事的な緊張が高まる台湾情勢です。こうした中、テレビ東京では台湾に先週訪問したばかりのアメリカのエスパー前国防長官に単独インタビューしました。中国による武力行使の可能性にも言及しました。
米中首脳「台湾情勢」協議!アメリカ前国防長官「防衛強化を」
29日まで大規模な軍事演習が続いている台湾。軍事的脅威が拡大する中国軍の武力行使を想定し、実弾を使用したミサイル発射訓練も実施されました。
台湾の演習以外にも中国を刺激することが。それがアメリカのペロシ下院議長の台湾訪問計画です。アメリカの下院議長とは大統領が職務不可能となった場合、副大統領の次に職務を引き継ぐ重要ポストです。台湾訪問が実現すれば下院議長としては25年ぶりで、バイデン政権の台湾支持が鮮明となります。
これまで人権問題などで中国に対し厳しい姿勢を取ってきたペロシ氏。その訪問に中国は繰り返し反対してきました。
中国外務省
趙立堅報道官
中国側はペロシ議長の台湾訪問に断固として反対すると何度も米国側に表明している。
訪問すれば強力な措置を取ると改めて警告しました。
こうした中、ペロシ氏に先駆け先週台湾を訪問したのがトランプ政権で国防長官を務めたマーク・エスパー氏。蔡英文総統に対して中国による武力行使に備えるため防衛予算の増額や2018年に事実上廃止した徴兵制の復活などを求めました。
その理由や台湾情勢についてエスパー前国防長官に単独インタビューしました。
アメリカ
エスパー前国防長官
中国の軍備増強や発言、台湾の領空・領海に侵入した際の好戦性を考えれば台湾の存続が危機に瀕しているという見方もできるかもしれない。
台湾が防衛に追加予算を投じ適切な兵器を調達し徴兵制を強化し、予備役の動員を活性化させる意欲を示せばその効果は計り知れない。
一方、中国では今年の秋に5年に1度の共産党大会を控えています。異例の党総書記3期目を狙う習主席。内外の安定を優先すると見られる中、台湾への武力行使の可能性は…
アメリカ
エスパー前国防長官
常に中国が台湾に侵攻し水陸両方から攻撃を行うことを想定しているが、習主席は前例のない3期目の任期を務める可能性が高く、その後、春まで任期を延長する指導部再編が予想される。
何かが起きるか起きないかは早くて春ごろだろう。