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[WBS] インフラ対策待ったなし!?官民連携「国民会議」が始動!

2016年11月29日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

インフラメンテナンス国民会議

11月28日、国土交通省で開かれた「インフラメンテナンス国民会議」。

企業や自治体の関係者など約200人が詰めかけました。

国土交通省の森昌文技監は、

インフラは国民生活、社会経済を支える資産。老朽化が進むと社会の存続も危ぶまれる。

高度成長期時代に整備されたインフラ、老朽化の目安は50年とされています。

国土交通省によると、例えば橋の場合、建設後50年以上経過したものは2013年に全体の約18%でしたが、2033年には約67%になる見通しです。

トンネルなども含めた全てのインフラの維持管理費も2033年には年間4兆6,000億円から5兆5,000億円に膨れ上がると見ています。

参加者の声

セメント業者は

従来通りではとても追いつかない量。国民含めて民間から技術の英知を集めて何とかしないといけない。

土木工事業社は

いろいろな企業の技術を集めて新しい技術を作っていく。そうしないとメンテナンスの問題は難しい。

企業、自治体、市民が一丸となってインフラの維持に取り組みことが求められているのです。

ちばレポ

[blogcard url="http://chibarepo.force.com/"]

インフラ整備に市民参加をいち早く取り入れたのが千葉市。

2014年から始まったアプリ「ちばレポ」。

道路の陥没や落書きなど公共スペースの不具合を見つけた市民がカメラで撮影し、GPS機能で千葉市に場所を知らせる仕組みです。

千葉市市民局、大森信人さんは

「ちばレポ」だとGPSの位置情報が地図付きで送られる。ずばり現場が分かる。

先日、通知があったのがこちら。

「JR蘇我駅東入口の点字ブロックががたついています。」というもの。

現場に行ってみると、確かに点字ブロックがガタついていました。

通常のパトロールだと見つけにくい。市民の皆さんが通常歩いている中でアレっというところのなかでレポートをもらえた。

早速、修繕作業に取り掛かります。コンクリートを流し込むなどして約20分でガタつきを直しました。

そして作業を終えたことを写真で通知者に報告。

市民も「私のレポートで町がよくなった」と実感できる。次も町の不具合はないかと発見してもらうという効果がある。

「ちばレポ」がスタートして2年余り、これまで約4,000件の報告があり、9割以上の対応を完了させました。

さらに「ちばレポ」は落書き消しなど市民でも修繕できる作業をボランティアとして募集。

業者に委託すれば費用はかかる。市民の力により市民共同で解決できる。

ただ、課題もあります。

千葉市の人口は約97万人ですが、「ちばレポ」の会員は現在約4,100人。会員登録は0.4%ほどに留まっています。

レポーターが増えれば市民のレポートにより課題が多く把握できるので効率的な解決になる。

綜合警備保障株式会社

[blogcard url="http://www.alsok.co.jp/"]

一方で民間企業もインフラの維持をビジネスチャンスと捉え動き出しています。

ALSOK商品サービス企画部の桑原英治部長は

これが実際のセンサー。中身は一般のスマートフォン。置くだけで実際に路面を走ることでデータ化、調査ができる。

綜合警備保障株式会社は普段、警備員の配置などに使う車にカメラと専用プログラムを入れたスマートフォンを載せるだけで路面の状態を調査できる技術「道路モニタリングサービス」を開発しました。

実験で撮影した映像、路面が荒れているとスマートフォンの加速度センサーが反応し、GPSの位置情報と組み合わせて地図上に赤く表示されます。

これで、どこに、どの程度の補修が必要なのかが分かるのです。

来月から自治体などに販売します。

このサービスを提供する狙いとは?

いろいろな自治体にヒアリングしたところコストがかかるという、モニタリングできていないから劣化が進む、悪循環を繰り返している。

コストがネックで路面を調査できない自治体に対し、普段使っている車を流用することで1キロメートルあたり2万円で提供することが可能になりました。

ある市では50年間で70億円強のコスト削減につながるという試算も出た。ぜひ、そういう困りごとに貢献していきたい。

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