生活習慣病などの予防で食事のときにカロリーを気にする方も多いと思います。
今、それに代わる考え方が注目されています。
それが「ロカボ」です。
ロカボ
ロカボは「Low Carbohydrate」を略したもので低炭水化物という意味です。
糖質の多い白米やパンなどの主食を減らして、特質の少ない肉や野菜などのおかずを多く食べるという考え方です。
食品メーカーなどは今後「ロカボ」ブームが本格的に到来すると見込んで糖質を抑えた商品を続々と投入しています。
ロカボマーク記者発表会
6月17日、都内で行われた発表会。
こちらが「ロカボ」マークです。
「ロカボ」マークは低糖質、糖質ゼロなど糖質を抑えた商品がひと目で分かるようにした新たなマークです。
北里大学北里研究所病院の山田悟医師は
糖質と糖類の違いがわかっていない。避ける必要がないものを避けていた。おいしいものを食べながら健康になっていく道筋をつけるために必要。
「ロカボ」マークでロカボ商品の更なる普及を狙います。
ロカボの効果
ロカボの効果をロカボを食べる前後で血糖値を測定して検証します。
大浜平太郎キャスターの食事前の血糖値は94mg/dL。110mg/dL未満は正常値です。
ロカボ食は焼きそば、パン、デザートなど6品で糖質は約25gです。
食後の測定は一番分かりやすい結果が出る45分後。
109mg/dLですか。94mg/dLから109mg/dL。
結果は94mg/dLから109mg/dL。血糖値が15mg/dL上昇しました。
通常食を食べた人の血糖値の平均は食前102mg/dL、食後177mg/dLで75mg/dLも上昇していました。
山田悟医師
このロカボを推奨しているのが山田悟医師です。
糖質を抑えることでどのような効果があるのか?
確実に証明されているのは血糖値、肥満の人の体重の減量効果。中性脂肪や善玉コレステロール、脂質異常症の改善。
生活習慣病などの予防効果が期待されるほか、タンパク質や脂質の摂取制限がないことも特徴です。
気軽に健康改善ができることから若い女性や中高年に支持されています。
街の声
糖質を意識していますか?
している。太るので夕食のご飯はかなり減らしている。
消費者の糖質制限への意識の高まりもあり、糖質オフ・ゼロの食品市場は年々拡大しています。
ロカボマルシェ
[blogcard url="http://www.kotsukaikan.co.jp/information/2016/06/10/10499/"]
ロカボ商品を扱う企業10社が集まったイベントにはロカボに関心の高い人たちで賑わいました。
江崎グリコ株式会社もロカボ商品に力を入れています。
江崎グリコ株式会社
[blogcard url="https://www.glico.com/jp/"]
大阪市の江崎グリコ株式会社の本社。
こちらでは糖質を抑えた冷凍麺の商品化に成功しました。
小麦粉を主原料にした麺類は糖質を多く含み、糖質を減らしためんを作ることは極めて難しいといいます。
森田淳一さんは
糖質オフにすると麺の食感にざらつきやぱさつきがある。小麦粉100%に近づけるように改良。
江崎グリコ株式会社では2016年2月に糖質を40%カットしたラーメンを発売しました。
麺の糖質を減らすには食物繊維などを入れて小麦粉の量を少なくします。
開発当初の糖質40%カットの生地は弾力がなくすぐに切れていました。
試作を繰り返し、完成した糖質40%カットの生地は
伸びることがもちもちとした食感につながる。
江崎グリコ株式会社では2013年から糖質を抑えたアイスを展開。
今後、麺類の他、お菓子などにもロカボ商品を投入する予定です。
普通のものに比べて味が落ちるのではないかという懸念があるが、糖質オフ製品のマイナスイメージが改善されている。
日の丸交通株式会社
[blogcard url="https://www.glico.com/jp/"]
ロカボを社員の健康管理に役立てている会社もあります。
タクシー会社「日の丸交通株式会社」ではメタボ気味だったり血糖値が高いドライバー40人に3ヶ月間「ロカボ」を推奨。
週に一度、血糖値を計り実際に摂取した食事をロカボ普及に取り組む山田悟医師に報告します。
そして一人一人に適切なアドバイスが。
血糖261、とても高いです。白米を半分にして、おにぎりは1つ以内にしましょう。
厳しい指摘を受けた渡部健さんは6年前から糖尿病を患っています。
しかし主治医から勧められた食事量を減らすような食事制限は続かなかったといいます。
糖質以外は一切制限する必要がないので食べられなくてストレスになることは今のところない。
この日のランチは自分で作った特製ロカボ弁当です。
ご飯の容器を小さくした上、炒めたコンニャクを入れご飯の量をさらに減らすなど工夫をしています。
オンとオフをかなり使い分けて「食べるぞ」という時はアイスクリームを食べたり、普段の生活では気をつけて、つじつまを合わせるように心がけている。
日の丸交通株式会社が去年から始めたこの取り組み。
前回は糖尿病と関係の深い「ヘモグロビンA1c」の値がドライバー15人の平均で0.9px低下しインスリン注射と同等の効果がありました。
富田和孝社長は
ドライバーから「眠気が減少した」とか「集中力・判断力が増した」という声が出たので、もう1年更新していこうという体勢になった。
徐々に広がりを見せるロカボは健康管理の新たな主役になるのでしょうか?