ものづくりで知られている東京都大田区の町工場の様子です。
しかし、こうした工場の数はいまではピーク時の3分の1ほどに減っているのです。
さらに町工場の半数が従業員3人以下、いわば少数精鋭で技術を受け継いできています。
こうした町工場のものづくりの力を世界の企業とマッチングさせて蘇らせようという取り組みが始まりました。
株式会社リバネス
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東京・大田区のとある施設。
町工場と東南アジアのベンチャーをマッチングさせるイベントが行われていました。
区内の町工場と技術的な課題を抱える東南アジアのベンチャーをつなぎ、町工場の生き残りと下請けからの脱却を目指すのが狙いです。
大田区から委託され事業を進めるのはベンチャーの育成支援を行ってきたリバネスです。
丸幸弘CEOは、
町工場の人たちに「世界にニーズを探しに行け」と言ってもできない。
この会社とこのベンチャーというようにわれわれがコミュニケーションをして事業体をつくっていかないとうまくいかないと思った。
東南アジア6ヶ国で募集したところ52社から応募があり有望な3社を選出し町工場とマッチングしました。
大田区はこの3チームに合計1,500万円を上限とする助成金を交付します。
技術の流出を防ぐためのルール作りも進めていく方針です。
株式会社サンリキ
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今回、タイのベンチャーとマッチングすることとなったのがサンリキです。
サンリキは大田区でおよそ90年の歴史がある老舗の町工場です。
アルミやチタンなどの金属加工を得意としています。
入澤英明顧問、
うちの重鎮の職人。
ここで世話になって60年です。
工場ではサスマタなどの警護用品を作っています。
しかし近年は景気が良いとは言えないそうです。
東日本大震災からもう売上がぼろぼろ落ちた。
取引先の工場が被災するなどして影響が出たといいます。
工場の顧問である入澤さんはかつて海外で事業を展開することも考えましたが実現しませんでした。
職人の感覚的なものをそのまま海外に持っていくというのは実際には難しい。
確かな技術力があってもそれを言葉や文化が違う外国に展開することの難しさを感じていたのです。
アイペット
サンリキと共同開発することになったのはタイで犬用の車椅子を開発しているベンチャーです。
持参した試作品は一見しっかりした製品に見えます。
ですが、アイペットのパムワニッチさんは、
歩けなくなった犬や猫は自分でバランスが取れないので、こんなふうにボディーをゆがませて、ここにヒビが入ってしまう。
タイ国内では金属の溶接に長けた技術者が少ないためこうした課題を解決できないのです。
タイで犬用の車椅子を作ると部品をひとつずつ別の工場に発注しないとつくれないといいます。
一つ一つ課題を解決していけばあとは時間の問題。
車椅子に使われているステンレスの加工はサンリキの得意分野です。
ステンレス以外の部分も大田区の町工場であれば工場同士が連携しすべての部品を大田区内で作ることができるので効率的に製品を仕上げられるといいます。
日本の町工場と一緒に新製品を作り世界を変えていきたい。
入澤さんは大田区のものづくりを再生させようと意気込みます。
うまくいく。きっと。
いいものができると思う。