レクサス
[blogcard url="https://lexus.jp/"]
都内にあるレクサスの販売店「レクサス高輪」。
訪れる多くのお客様のお目当てがSUV(多目的スポーツ車)です。
今やレクサスの国内販売の6割を占めるSUV。
SUVの市場は世界的に好調で、今年の販売台数は2010年と比べて約2.5倍の約2,510万台に成長する見通しです。
このブームに乗って、レクサスもSUVモデルを相次いで導入。
コンパクトタイプのNXやミドルタイプのRX、最上級モデルのLXと3種類揃え、好調の原動力となっています。
コンパクトタイプのNXを見ている20代の若い男性は、
かっこいい。外国の車も幅広く見てから決めたい。
茂木祐ゼネラルマネージャーにメルセデスやBMWと迷うお客様になにを伝えるかと聞いたところ、
品質です。その品質が、なぜそういう品質になっていくのか、モノを作っている現場のことから話してご理解いただくのが大事。
トヨタ自動車九州株式会社
製造現場の何がすごいのか?
世界で販売されるレクサスの半数以上を作っているトヨタ自動車九州株式会社の宮田工場を訪ねました。
株式会社ジェイ・ディー・パワー アジア・パシフィック
宮田工場は今年、アメリカの調査会社から製造品質で世界最高の評価を獲得しました。今回で4度目です。
評価の根拠について調査した会社の担当者、川橋敦シニアディレクターは
お客様に品質の不具合を経験したか、しなかったかを聴取している。
アメリカ市場において宮田工場が生産した車両は購入後90日間における不具合の指摘件数が最も少なかったのです。
どのように不具合の発生を抑えているのでしょうか?
官能検査
最大の特徴が「官能検査」です。
官能検査とは視覚・聴覚・触覚などに頼る検査。
品質管理の最後の砦は人の感覚だというのです。
触覚
工場内でひときわ明るい場所。
レクサス出荷前の検査工程です。
ここで必要とされるのが触覚。
白い手袋をした作業員がレクサスのボディを触りながら、人の手でしか分からない、わずかなズレを探していきます。
品質管理部の新原浩班長によると
手で触ることで、建付けの段差や隙を判定しています。隙、段差ともにコンマ1ミリ単位で検査します。
作業員は手で触ることで0.1ミリ単位で段差の存在を突き止めるというのです。
作業員は毎日、ラインに入る前に模擬ボディで段差や隙間の幅を測定するテストを受けます。
この日はフェンダーとボンネットの隙間が0.9ミリ、4.2ミリ、1.2ミリ、0.3ミリの誤差が設定されています。
この誤差を言い当てるというテストです。
ここで0.3ミリ以上の間違いがあれば、その日はラインに立つことはできません。
視覚
次に塗装工程に入ります。
塗料が粒子のレベルで完全に均一の厚みになるようにボディに吹き付けていきます。
その結果できるのが鏡のような塗装です。
一般のトヨタ車の塗装と見比べると、トヨタ車の塗装では蛍光灯の光が滲んで見えますが、レクサスでは光の輪郭が比較的はっきりとしています。
しかし塗装で塗料の厚みに差が出ると色ムラが出ることあります。
色ムラがある車をそのまま市場に出さないために頼るのが人の視覚です。
あるボンネットでは色ムラがあるのですが、普通に見てもほとんど分かりません。
塗装部の寺川正浩工長によると
朝・夕・昼の光の状況に応じた状態での塗面検査。
検査では様々な色の照明を使います。
塗装の色と照明の色の相性で色ムラの見えやすさが変わるからです。
照明の色の組み合わせを変えていくと、色ムラが僅かに浮かび上がりました。
色ムラが判別しやすい白黒映像に加工してみても分かるかどうかの色ムラです。
この色ムラを発見するために見る角度も変えます。
正面から見る直視や、斜め45度から見る透かし見、角度を変えることで光の反射の影響を避け、僅かな色ムラを見つけ出すのです。
聴覚
続いては静穏ドーム。
特殊な防音のガラスで仕切られた空間では人の聴覚が頼りです。
静穏ドーム内の音の大きさは50デシベル、これは書店の店内と同じレベルです。
ドアの開閉音だけが響き渡ります。
春日慎司さんによると
バンバン閉めることで、内装にビビビと振動が走る。その異音が不快な音になる。
ドアを勢いよく閉めることで部品の緩みによる振動音など不快な音がしないかを耳でチェックするのです。
こうした人の感覚を最大限に活用した検査でレクサスは世界最高といわれる品質を実現していたのです。
世界に対して、誇れる工場であり続ける思いだけは全員持っている。
株式会社J.D.パワー アジア・パシフィック
製造品質では世界一と評価されたレクサスですが、その他の調査を見てみると、
魅力品質というお客様の評価の中では、レクサスは全体の5番目。
アメリカ市場における、ブランドの魅力度調査ではポルシェやBMWなどがレクサスを上回っています。
加速している時のエンジン音の気持ちよさや「好き」の度合いを聞く調査。
好調なレクサスですが、世界の販売台数ではドイツの高級車ブランドとの間にまだ大きな差があります。
レクサス国内営業部の渡瀬修部長は
一番の強豪はヨーロッパの高級車メーカー。それらのメーカーは歴史がある。レクサスは開業して日本では11年目で歴史がない。歴史がない分、新しいことにトライできる。スタイリングやデザインで世の中にレクサスという車をアピールしていきたい。