「ケーザイのナゼ?」、今回取り上げるのはマンガです。アニメ化が続出するなどここ数年で数々のヒット作が登場していますがその人気は国内にとどまりません。海外では2010年代にクールジャパンとして人気となりましたが、ここにきて北米のコミック市場が急拡大するなど海外で日本のマンガが再びブームとなりつつあります。一体なぜなのでしょうか。
日本のマンガ 世界で再ブームか
7月、アメリカ・ロサンゼルスで開催された北米最大級のアニメイベント「アニメエキスポ2022」。
この人波、4日間の開催中に世界のアニメファンおよそ10万人が集まりました。
日本のアニメの最新情報などが発表され大きな盛り上がりをみせました。
「BLEACH 千年血戦編」ステージ

新たなBLEACH最終章に期待してください。
有料動画配信サービスの普及により海外でもアニメファンが増加。アニメで知ったマンガを読むという流れが定着し、マンガのニーズも急速に高まっているのです。
北米での去年のコミック市場はその前の年と比べて62%増加。
なかでも注目されたのが日本のMANGAです。
日本のマンガの世界戦略とは
日本のマンガの世界戦略とはどのようなものなのでしょうか。
東京都内のオフィスビル。ここに入居するLINEのグループ会社が運営しているのがLINEマンガ。電子コミックを掲載・販売しています。
これまでと違ったある表現方法で閲覧数を伸ばしていました。
LINE デジタル・フロンティア
髙橋将峰共同代表取締役

世界のユーザーにウェブトゥーンというフォーマットでマンガ文化が浸透した。
ウェブトゥーンとは一体どんな形式なのでしょうか。
この日、LINEマンガのオフィスで作業をしていたマンガ家の真昼てくさん。ウェブトゥーンでの連載を始めたばかりです。その特徴は…
マンガ家
真昼てくさん

フルカラーで描いている。
どんな絵もカラーで描かれていて青空や夕焼けもご覧の通り。
ウェブトゥーンのもう一つの特徴が縦スクロール。1コマずつページが分かれているように見えますが実は縦に長い1枚の絵になっているのです。その絵をスクロールしながら読みます。スマホに読むことに特化した表現方法なのです。
LINE デジタル・フロンティア
髙橋将峰共同代表取締役

売れ行きは好調。グローバルな成長率は日本の出版市場全体を超える規模に成長する可能性がある。
一方、大手出版社の集英社。週刊少年ジャンプなど最大発行部数653万部(1994年)、1968年に創刊して以降数々の大ヒットマンガを生み出してきました。歴史ある集英社もデジタルに力を入れています。
少年ジャンプ+
細野修平編集長

少年ジャンプ+の校了作業をやっている。
マンガアプリ「少年ジャンプ+」は現在オリジナルマンガをおよそ70作品連載中。1話から最新話まで初回に限り無料で読めます。なぜ無料で配信するのでしょうか。
ナゼ?全話無料で配信
少年ジャンプ+
細野修平編集長

人気作を作るには多くの人に読まれないといけない。
あえてやっている。
無料での配信が紙の単行本の売上アップにもつながっているといいます。スパイファミリーは紙とデジタル合わせて累計発行部数2,100万部を突破。怪獣8号は780万部を突破しました。
10代

家で読むときは紙で揃えて、持ち運ぶ時はスマホ。
集英社はこの人気を世界まで広げようと新たな取り組みを進めていました。
集英社 スタッフ

フランスが熱心な人が多い。
タイも熱心。
海外市場に向けて人気のマンガを分析していました。
海外向けのマンガ配信サービス「MANGA Plus by SHUEISHA」。現在は週刊少年ジャンプなどの作品の一部を外国語に翻訳して配信しています。来年以降は少年ジャンプ+で新たに連載する作品を全て英語で翻訳。日本語と同じタイミングで世界に配信します。
少年ジャンプ+
細野修平編集長

週刊少年ジャンプのような大ヒット作品を出していく。それを目標にデジタルで新しいジャンプを作る。
1話あたり世界で1,000万人が読むような大ヒット作を作りたい。