これから本格的な冬を迎えようとする中、政府は12月1日から全国を対象に節電を要請します。冬の時期に節電要請が出されるのは7年ぶりとなりますが、家庭や企業はどのような備えをしているのか取材しました。
近未来型「グリーンローソン」
電気使用量40%削減へ
東京・豊島区に11月28日にオープンしたローソンの新店舗。「グリーンローソン」と名付けられた働き方や環境に配慮した近未来型の店舗だといいます。
スイーツのコーナーに行くと…
グリーンローソン
アバター店員
そらとさん
こんにちは、いらっしゃいませ。
モニターに映っているのは大阪にいるスタッフが操作するアバター。商品の特徴などを教えてくれます。
グリーンローソン
アバター店員
そらとさん
隠し味に練乳を配合しているので、とても甘く、楽しめると思う。
アバターは店内の数ヵ所に設置。セルフレジのサポートも行います。
ローソンではこのアバターを介して接客する社員として介護にあたっている人や障害のある人を積極的に採用したということです。
そして店内の一番奥には従来のコンビニにはない特別な設備が…
田中瞳キャスター
サンドイッチがありますが、扉がついています。
ローソン
只野ひとみさん
扉を設置して冷気が逃げないようにしている。
年間で1万キロワット削減できる計算。
サラダやレトルトの惣菜、そして通常、専用のコーナーが設けられる栄養ドリンクもこの扉付きの棚に集約。これによって消費する電力を抑えました。
太陽光パネルを設置した川崎の店舗など節電、省エネ化を進めるローソン。
今回のグリーンローソンを2025年までに100店舗まで増やし、電気の使用量の40%削減を目指します。
田中瞳キャスター
政府から節電要請が出されるが?
ローソン
竹増貞信社長
電気代は非常に大きなコストのひとつ。
節電要請があってもなくても無駄なものはどんどん排除していくというのは企業姿勢として大切。
お客様と一緒に協力していくのが大事。
"節電の冬"12月から全国で
高級エアコン人気の理由は
冬の電力需給のひっ迫を防ぐため、政府は12月1日から家庭や企業に向けて節電を要請します。全国規模での冬の節電要請は7年ぶりのことです。
今回、数値目標は設定していませんが家庭での消費電力の3割以上を占めるエアコンなど暖房の設定温度を下げることを求めています。
こうした中、家電量販店の売り場ではある異変が…
30万~50万円台の高級エアコンに人気が集まっているというのです。
そのワケは…
ビックカメラ有楽町店
家電コーナー
小谷野歩さん
3万500円から4万4,200円、年間の電気代がこれだけ変わる。
ダイキンのエアコンの場合、AI(人工知能)が床や壁の温度を検知し、部屋を効率的に温められるので電気代を節約できるというのです。
ビックカメラ有楽町店
家電コーナー
小谷野歩さん
高価だと感じられるお客様もいるが、10年使う商品ということで「お得になる」ということで購入いただいている。
さらにエアコン以外でも節電につながる商品が売上を伸ばしていました。
村上晃一記者
足元を温めるヒーターですが、実際に使ってみるとポカポカと暖かく、熱くならないので長い時間使っていられそうです。
「パナソニック パネルヒーター」の1日の電気代はおよそ40円。エアコンの設定温度を上げなくても足元を暖めることができて節電・節約につながります。
こうしたパネルヒーターの売り上げは去年より2割増えているということです。
電気料金抑えるヒントに?
"消費電力の見える化"に注目
節電意識が高まる中、新たなジャンルの商品にも注目が集まっています。
ネイチャー
塩出晴海代表
「ネイチャーリモEライト」というエネルギーマネジメントの商品で、リアルタイムの電力消費量が見えたり、1日の電気料金が概算で表示されたりする。
専用の機器をコンセントに差し込むとスマホのアプリ上に部屋全体の消費電力を表示する仕組み。
例えばフル稼働しているエアコンを止めてみると、消費電力は1,500W台から200W台に急低下しました。
また電気料金を知ることもできるます。
7~10月のひと月当たりの平均販売台数は1年前のおよそ4倍に。
人気の背景にあるのが…
ネイチャー
塩出晴海代表
やっぱり電気料金の高騰で家計が厳しくなる中で、少しでも電気料金を抑えることができないかというヒントを得たいということで買っているのが多いと思う。
一方、こちらはエアコンや照明などをアプリ上で遠隔操作できるスマートリモコン。
例えば電気代が高くなる時間帯にエアコンの消費電力が下がるよう自動で設定を変更することもできます。
ネイチャー
塩出晴海代表
どういうふうに電気を使っているかをより細かく知ることができると、どうやって節電していくかと考えるきっかけになる。
電力価格の高騰はリモの販売にもつながっていくと思う。