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[WBS][コロナクライシス トップの決断]最優先は「加盟店の利益」![株式会社ローソン]

2020年9月25日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

シリーズ企画「コロナクライシス トップの決断」。

コロナの影響で売上が落ち込んでいるコンビニ業界に公正取引委員会から厳しい指摘が突きつけられました。

ビジネスモデルを根幹から揺るがす事態を受けてローソンのトップがある重大な決断をしました。

株式会社ローソン

[blogcard url="https://www.lawson.co.jp/"]

今月初めコンビニ業界を巡って激震が…

公正取引委員会の菅久修一事務総長、

年中無休24時間営業、ドミナント(集中)出店の問題について加盟店から声が寄せられた。

独占禁止法に違反する行為に対しては引き続き厳正に対処する。

公正取引委員会が行ったコンビに関する実態調査で加盟店の経営状況が明らかに。

大手チェーンに対し、独占禁止法違反の可能性を指摘し、改善を求めました。

WBSでは実際に公正取引委員会の調査に応じたというローソンの店長を取材。

最近24時間営業を辞めたといいます。

一番言いたいのは体が楽になった。

いつ倒れてもおかしくないという考えがよぎることはなくなった。

確実に休める時間がある安心感。

「24時間営業に戻せという本部の指導は?」

正直ある。

コロナ禍で本部も大変な状況なので少しでも収益を上げたい。

そのためには1店舗でも24時間営業の店舗を増やしたい。

本部の気持ちがひしひしと伝わってくる。

加盟店との問題に直面する中、新型コロナウイルスが店舗の売上を直撃。

かつてないピンチに立つコンビニ。そこで下したトップの決断とは…

公正取引委員会が行った調査です。24時間営業を続けたいという人が33.2%、なのに対して一時的に切り替えたい、一度実験したい、時短営業を希望している人の割合が66.8%。

「本部とのパワーバランスで本音が言えない状況はないか?」

ローソンの竹増貞信社長、

そういう空気感、環境があるというアンケート結果が出ている。

すべてに対して正面から真摯に向き合って加盟店の声を聞く。

これは本部だけで解決できる問題ではない。

いびつなパワーバランスを是正するために竹増社長はある重要な決断を下しました。

店利益を基軸に本部運営をしていく。

ファーストプライオリティー(最優先事項)は店利益。

従来のコンビニのビジネスモデルは店の利益の一部を本部にロイヤリティとして支払う仕組みです。

店が増えれば本部に入るロイヤリティも増えるため、本部は店舗数を追求し、都心部を中心に大量出店してきました。

しかし店にとっては近くに出店されれば利益を奪い合うことになります。

本部の売り上げから店舗の利益へ。真逆ともいえる方針転換。

その狙いは…

店舗が儲け不足。

1店1店儲けられる体質に変えないといけない。

それによって解決できることがたくさんある。

トップの決断の現場を覗いてみました。

そのカギを握るのは野菜です。

ローソンでは6月から全店のおよそ9割で野菜の販売を始めました。

すると8月、コロナ禍で売り上げが8%減ったにも関わらず店の利益は前年超え。

そのワケは…・

スーパーに行くちょっとの時間が惜しい。

便利なところにあって寄り道しないで済むのがうれしい。

スーパーは遠い。いつもはそこに行くがコロナでなかなか行けないから近場のローソンでいつも買っている。

食材の買い物を近くのコンビニでサッと済ませたい。そんなコロナ時代のニーズを捉えたのです。

さらに店の利益に貢献しているのがおよそ半分の店舗にある厨房です。

セブン-イレブンやファミリーマートといったライバルにはない厨房の機能をさらに強化し、有名外食店とのコラボ商品も販売。

外食のテイクアウト需要を取り込みました。

ピンチはチャンスを必ず連れてくる。

どういうチャンスを連れてきたかというと僕らの既得権益がコロナでなくなった。

「人が動くとコンビニに来る」これがなくなった。

今まで既得権益があったので売り場を変えられなかった。

もしかしたら今までも野菜を置いた方がよかったかもしれない。

それになかなか踏み込めなかった。

コロナが連れてきたチャンスを必ずものにして加盟店と一緒に成長したい。

「日本経済はどんな軌道を描くか?」

オリンピック手前までは山あり谷あり、安定はしないと思う。オリンピックの手前でコロナに対策を立ててオリンピックで一段上がって、そこからはデジタル化によって成長していく。

来年の東京オリンピック・パラリンピックまでは感染拡大と収束を繰り返す中で経済は上下し、オリンピックとデジタル化で一気に回復するという見立てです。

その時、コンビニは…

街が変わった、人の動きが変わった。

昼間の人口が今まで都心だったのが郊外に昼間も人口がある。

店の在り方、作り方もそれに合わせて変えないといけない。

何店舗増やすというよりも置き換えも含めて店の在り方を変えていく。

そこにスピード感をもってチャレンジしないといけない。

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