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[WBS] フリーランス争奪戦!稼ぐスターの「二毛作」

2016年8月9日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

ランサーズ株式会社

[blogcard url="http://www.lancers.jp/"]

東京・渋谷にフリーランスに仕事を紹介するサービスの先駆けとなった会社があります。

2008年に設立した仲介会社「ランサーズ株式会社」です。

ランサーズ株式会社には現在、100万人近いフリーランスが登録。

企業などから寄せられる十数万件の依頼リストの中から自分に合う仕事に応募する仕組みです。

一方、登録するフリーランスのリストを見ると、その横には星のマーク。

仕事の受注実績とその評価を示しています。

その中に全ての依頼主から満点の評価を得ているプログラマーがいました。

その人物は大阪の自宅で東京の企業などからの仕事を請け負っています。

それが鈴木光行さん(40歳)です。

鈴木光行さん

仕事部屋の本棚には古いテレビゲームに関する本があります。

鈴木光行さんはかつて大手ゲーム会社の「株式会社ハドソン」に手掛けたゲームです。

19歳で大手ゲーム会社に入社した鈴木光行さん。10年に渡りプログラマーとしてゲームを開発してきました。

その後、28歳で中小のゲーム会社に移ると管理職になります。

33歳になると自ら会社を興し社長になりましたが、マネジメントの仕事に夢中になることはありませんでした。

ずっと心のどこかで「プログラムが組みたいな」と。

17年のキャリアを経て自分の転職を悟ったという鈴木光行さん。

もう一度、プログラマーとして働きたいと選んだ道が「フリーランス」だったのです。

フリーランスとなって4年目、仕事は多く会社員時代と同等の年収を半年で稼げるようになりました。

すると鈴木光行さんは請け負う仕事を減らして好きなゲームの開発を始めたのです。

1月から6~7月までは忙しく働き、その後はやりたいことをやる。

上半期は請負業務で稼ぎ、下半期は自分がやりたいことをする二毛作のスタイル。

そして自主開発したゲームも無償でリリースしたのです。

リリースしたら親御さんからすごく感謝されて「算数のテストですごくいい点が取れた」とか。

それはゲーム感覚で暗算の力を鍛えることができるアプリでした。

今の自由な働き方に満足している鈴木光行さん。

この日、久しぶりに貰ったのがボーナスです。

「ボーナス無いもんな」とちょっと寂しかったので、その言葉の響きがうれしかった。

仲介会社のランサーズ株式会社が現在登録している約100万人のフリーランスの中で業績を伸ばした3,000人にだけ初めて「ボーナス」を支給したのです。

ランサーズ株式会社

ボーナスを支給したランサーズ株式会社の狙いは?

秋好陽介社長は

競争は激しくなっている。優秀なフリーランスを増やす意図もある。

競合する仲介会社が200社以上に増え、人材の争奪戦が激しさを増しているのです。

奄美市役所

フリーランスという働き方に注目しているのは企業だけではありません。

ランサーズの秋好です。ご無沙汰しています。

「フリーランスが最も働きやすい島化計画」、移住者を50人を目指す。

ランサーズ株式会社の秋好陽介社長に対して熱心に協力を要請しているのは奄美市役所の職員の稲田一史さんです。

成田空港から直行便で約2時間。

奄美大島に向かいました。

青く澄み切った海と白い砂浜。年間60万人の観光客が訪れる日本有数のリゾート地です。

その島の中央部にある奄美市役所。

テレビ電話でランサーズ株式会社の秋好陽介社長と会議をしていた稲田一史さん(38歳)です。

フリーランスに注目する背景には人口減少への危機感がありました。

高校を卒業すると進学や就職で島を出て行く人も多い。「島に仕事があれば、島に住みたい」という声はたくさんあるので。

この10年で奄美市の人口は1割以上(約5,300人)減りました。

働き口がなく、島を離れていく若者が多いのです。

そこで奄美市は2015年にフリーランスの移住を促進する計画を策定。

市内の空家に移住する人にリフォーム費用などとして最大100万円を助成する制度を作りました。

さらに今年度から3年間、総額6億円を投じフリーランスの生命線である高速インターネット網を整備する計画です。

こうした努力で2020年までには50人のフリーランスが移住してくることを目指しています。

井田洋平さん

その島の階段を歩く男性。

4年前に千葉県から移住してきた井田洋平さん(41歳)です。

島暮らしに憧れていたといいます。

家から10分のところ、観光地に住んでいる気がする。

井田洋平さんは4月からフリーライターとして活動し、島の名所を紹介する記事を書いています。

1つの記事を執筆すると4,000円の報酬が得られます。

井田洋平さんに記事の執筆を依頼しているのは奄美大島の情報サイトを運営する「奄美群島しーまブログ」。

奄美群島しーまブログ

[blogcard url="http://amamin.jp/"]

代表の深田小次郎さんはフリーランスの移住が進めば島の情報発信も充実していくと期待しています。

文章が書けたり、写真がうまく撮れたり、いろいろな特技を持つ人がいるので、仕事を島の中で回すこともできるかなと。

井田洋平さん

夜、フリーライターの井田洋平さんを再び訪ねると塾の講師をしていました。

こちらが本職。

今は18人の子供に教えています。

子供の数自体は減っている。塾の仕事がどれだけ続けられるか不安はある。

島で生活をしていくために井田洋平さんもフリーランスの働き方に興味を持ったのです。

今後、島で働くフリーランスは増えるのか?

奄美市に協力するランサーズ株式会社の秋好陽介社長は楽観的です。

インターネットさえあれば、ランサーズの中の仕事ができる。新しい離島での生活スタイルが広がるのではないかとわくわくしている。

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