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[WBS] 「トランプリスク」にメーカーは?ロザンゼルス自動車ショー開幕!

2016年11月17日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

トランプ氏

2016年9月の第一回討論会でトランプ氏は

車でもエアコンでも関税なしで輸入しようというのは間違いだ。貿易協定を見直し、アメリカの企業や雇用が盗まれることを止めなければならない。

と話していました。

ロサンゼルスモーターショー

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11月16日に開幕したロサンゼルス自動車ショー。

環境規制が厳しいカリフォルニア州で開かれるため各メーカーが環境技術や自動運転など最新のテクノロジーを披露しています。

自動車業界の関係者にトランプ氏の主張について聞くと、

ヒュンダイ関係者は

自動車業界への新たな制作を打ち出すだろうから何かしらの変革が起こる。

トランプ氏がこれまで自動車業界について発言したことを考えると懸念が高まる。

メキシコ

中でも注目を集めているのがメキシコ。

現在、NAFTA(北米自由貿易協定)を結んでいるためメキシコからアメリカへ輸入される車に関税はかかりません。

このため、日産自動車株式会社や本田技研工業株式会社はもちろん、アメリカのゼネラル・モーターズやドイツのフォルクスワーゲンなど12の自動車メーカーがメキシコに生産拠点を置いています。

そのメキシコからアメリカに輸入される車にトランプ氏は35%の関税をかけることを主張しているのです。

これについてアメリカのゼネラル・モーターズのジュリア・スタイン担当副社長は、

GMは国際企業としてあらゆる条件下でも生き残っていかなくてはならない。新政権で確かに新しい環境になりそうだ。

そして2018年に小型車の製造拠点をアメリカからメキシコに集約する計画を発表したフォード。

アメリカ国内での雇用を減らすとトランプ氏から槍玉に挙げられてきました。

フォードの関係者は

トランプ氏は大統領としてアメリカ人が選んだ人、影響についてはコメントできない。

関税が引き上げられれば、メキシコに生産拠点を置くほとんどのメーカーが打撃を受けます。

さらにトランプ氏は日本からの輸入車に対して38%もの関税をかけるべきだと主張しています。

マツダ株式会社

[blogcard url="http://www.mazda.co.jp/"]

こうした中、アメリカ市場に力を入れるマツダ株式会社。

ここで主力のSUV、新型CX-5を世界で初めて公開しました。

2012年に発売されてヒットとなり、当時経営危機のマツダ株式会社を救った車。

今回が初めてのフルモデルチェンジです。

日本からアメリカへ輸出する際の関税が引き上げられる恐れについて懸念はないのか聞いてみると。

北米マツダのマーケティング担当、ラッセル・ワーガー副社長は

先行きは不透明だが対応する。CX-5販売に自信があるとだけ言える。

その目玉は新開発の赤色「ソウルレッドクリスタルメタリック」。

マツダ株式会社のデザイン本部、中牟田泰本部長は

明るい赤から一気に暗くなっていく。この車の表現と相まって、そても力強くスピード感のある形。特別なペインターが一つの車を塗るだけでも、こんな色が出るかどうか。工場で量産ができる、相当価値があります。

訪れたアメリカのメディアは

色が本当にすてき、とてもいいわ!深みがあってリッチだわ。

色にこだわる理由

なぜマツダ株式会社は色にこだわったのか?

アメリカでのシェアが1%程度とブランドイメージがまだ確立していないマツダ株式会社は色を武器にブランドの価値を高めようとしているのです。

ラッセル・ワーガー副社長は

このカラーで日本の高級車としてのブランドイメージをアメリカで勝ち取ることができる。

ソウルレッド

マツダ株式会社のシンボルカラー「ソウルレッド」。

この「ソウルレッド」刷新のキーマンがデザイン本部クリエイティブデザインエキスパートの岡本圭一さん。

30年以上、マツダ車の色を手掛けてきました。

これが今までの「ソウルレッド」、我々が開発した新しい赤がこちらになります。

新しい赤は、これまでと比べ光が当たる面と影になる面のコントラストがはっきりしています。

その狙いは、

色と造形を一体でデザインしていくことを念頭に置いて開発した。

マツダ株式会社は2010年に新たなデザインテーマ「魂動」を採用。曲面が多い立体感のあるボディのデザインが特徴です。

岡本圭一さんはそのデザインが引き立つ色の研究を進めたのです。

赤の鮮やかさが増してきて、陰の部分で暗く落ちることで造形を立体的に見せる。

このような色とデザインのこだわりが功を奏し、マツダ株式会社の業績も回復しました。

CX-5は今回のフルモデルチェンジでさらに曲面の多いデザインを採用。

色もより強い赤色に刷新しアメリカでもお客様の心を掴もうと考えています。

北米の今の状況が変わりつつあったとしても、デザイン全体の考え方は何も変わらない。お客様が欲しいと思える色の開発をしないといけない。

マシーングレー

マツダ株式会社はいま、赤以外の色でも。

今度はグレーです。「マシーングレー」という名前の色。

本物の機械のような質感を目指したといいます。

「ソウルレッド」と同様、車体の一体感を引き立てるコントラストが特徴です。

なぜ赤の次はグレーだったのか?

ソウルレッドとケンカをしない、その中で新しい価値創造ということで色を加えていきたい。

「マシーングレー」を採用した車は2016年5月に初めてアメリカで発売。

すでに一番人気のソウルレッドに匹敵する人気の色になっています。

トランプ次期大統領の登場で先行きが不透明になっているアメリカの自動車市場。

しかし、小飼雅道社長はブランド力を絶えず強化していくことが北米で勝ち抜く道だと考えています。

「北米戦略の見直しは考えていないか?」

考えていない。北米は大切な市場なので、まだまだ頑張らなければいけない。技術や価値を上げて、商品作りや販売をやっていくことが最も重要。

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