日本人にも外国人にも人気の観光地のひとつが京都です。
増え続ける需要を見越し、最近では異業種による宿泊事業の参入も相次いでいます。
その戦略を取材しました。
南禅寺参道 菊水
[blogcard url="http://kyoto-kikusui.com/"]
京都市、南禅寺。
そばにある旅館がリニューアルし報道陣に公開されました。
菊水の佐藤裕久社長は、
新生菊水。南禅寺参道菊水として生まれ変わる。
旅館にあるにも関わらず廃止したのは靴を脱いで建物に入る方式。
土足でそのまま室内に上がれます。
フロントにあった提灯などは取り外し、民宿のような感じをなくしました。
そして最大の売りがこちら。
想像と破壊。あのテラスは普通ではない。賛否両論ある。
およそ400坪の広さがある日本庭園をリニューアル。
庭の樹木の一部をあえて切り、新たにテラスを設置しました。
屋外で食事と一緒に庭の景色を楽しめるようにしたのです。
客室は、
庭を見られるように、水のせせらぎとか、カエルの鳴いている声とか、ゆったりくつろげる部屋だと思う。
自慢の庭を部屋から眺められるように大きな窓を作りました。
そして畳の客室をベッドで寝るスタイルに変更。
ユニットバスだった部屋風呂もくつろげる空間にしました。
10あった客室を5つに減らした分、料金を1人1万円程度から最も安い時期で3万円程度に引き上げています。
かつての菊水は設備の古さなどから客足が遠のき、新たな投資が難しくなっていたといいます。
株式会社バルニバービ
[blogcard url="http://www.balnibarbi.com/"]
実はこの旅館を買収し、リニューアルした佐藤社長はバルニバービのトップ。
バルニバービは全国でレストランを約80店舗手掛けています。
いわば異業種からの参入です。
カフェ風のテラスの設置など4億円を投じた改修は昔の経営体制では出来ないといいます。
以前から売りだった湯豆腐はそのまま維持。
その一方、テラスでの食事やカフェの利用に備え洋食のメニューも開発しました。
まだたくさん残っている。こういうふうに取り組めばよみがえったり、新しい世界観を見せられる物件は山ほどある。
京の温所 岡崎
[blogcard url="http://www.kyo-ondokoro.kyoto/"]
10年前に年間5,000万人を突破した京都市の観光客はその後もさらに500万人以上増えています。
その需要を見込んだビジネスに参入する企業がこちらにも。
ワコールの山口雅史副社長、
こちらがスマートキー。暗証番号を押してドアを開ける。
こちらは一軒丸ごと借りる宿泊施設。
京都が本社の下着メーカー、ワコールが2018年4月にオープンさせました。
中に入ると、築92年、20年間空き家だった町家は現在の暮らしにあった形に改装されています。
ベッドルームの天井には古い梁が…
町家の柱など使えるものはそのまま活用しているのです。
ワコールは1件あたり3年をめどに黒字化し、7年で改装に掛かった費用を回収する計画です。
京都市内に4万件以上ある町家。
景観上、重要であるにも関わらず年間約800軒のペースで取り壊されていると推定されます。
この先5年間で50件オープン予定。利益が出るのが前提で京都の町並みを維持していく。