新型コロナの影響で飲食店の閉店が相次ぐ中、都心では空き物件が急増しています。
東京の都心部などでは空き物件の募集が1年前と比べて6割以上増えていて、なかでも渋谷は倍増しました。
こうした中、これまで郊外で展開してきたチェーン店が都心の空き物件に出店する動きが相次いでいます。その狙いを取材しました。
くら寿司株式会社
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東京・新橋、飲食店が連なるエリアを訪れると…
こちら新橋駅を出てすぐの場所で、あちらにはオフィスビルも立ち並んでいますが、そのすぐ近くのビルが空き店舗となっています。
一等地もいえる駅前にはテナント募集の張り紙がずらりと並んでいました。
こちらの物件には居酒屋が入居していましたが去年6月、閉店に追い込まれたといいます。
午後5時から外にお客様が並ぶような店だった。やっぱりコロナで閉店した。
その一方で、
こちらは空き店舗に新しくハンバーガー店をオープンしようと工事を進めているところです。
すぐ隣も居酒屋店を新しくオープンする準備を進めているところです。
チェーン店などがコロナ禍で都心の空き物件に新たな店舗を出す動きが出ています。
こうした動きは渋谷でも。
駅前すぐそばの好立地に立っていたのは回転寿司チェーンのくら寿司。
閉店した飲食店の空き店舗を活用し、ことし1月にオープンしました。
店内は若い女性を中心に多くのお客様で賑わっていました。
これまで郊外店が中心だったくら寿司ですが、この渋谷店を皮切りに都心型店舗の出店に乗り出しています。
普段はたまプラーザの店に行っていて、私たちに近い渋谷店ができたので来た。
郊外の店に比べて賃料が高いため、値段は1皿あたり10円ほど値上げしていますが、
週に2~3回は来ている。めっちゃ好き。
「他の店舗より値段が少し高いが?」
東京なので仕方がない。
都心型店舗では車で来店するお客様が少ないことから刺身の盛り合わせなどお酒に合う限定メニューも用意しています。
現在は緊急事態宣言中のため酒の提供を取りやめていますが、それでも客足は伸びているといいます。
くら寿司の広報宣伝IR本部長、岡本浩之氏、
渋谷や新宿での成功体験を札幌でも目指す。
7月15日には北海道1号店をオープンするくら寿司、今回出店する店舗は従来型ですが、ゆくゆくは札幌駅前にも都心型店舗を出そうとしています。
都心型店舗はほとんどの期間を夜8時までの時短営業でほぼ当初の期待に近い形で売り上げをずっと維持できている。
都心駅前店をまずは100店舗まで増やしていきたいと思っている。
都心の空き物件に攻め込む企業はほかにも。
菓子メーカーのシャトレーゼもコロナ禍で都心型店舗「YATSUDOKI」の出店を進めています。
都心型では希少性の高い素材を使うなど高価格帯の商品を販売しているのが特徴です。
現在、銀座や白金台などに展開していて、今年上半期の売り上げは1年前と比べて8割増加しました。
今年、都心部の空き物件がさらに増えたことで好立地な場所の出店の候補地に入るようになったといいます。
都心型店舗の波は家具大手でも。
イケアは去年6月、原宿店を複合商業施設に出店しましたが、その後は渋谷、新宿と空き店舗に出店。
その狙いは…
イケア・ジャパンのヴィンセント・ドゥヴローカントリーCFO、
渋谷店は交差点から近く、看板がビルの屋上にある好条件だったのでこの物件に飛びついた。
郊外店に比べると小型ですが、イケアの代表的な商品を揃えています。
車を持たない若者など従来の郊外店では捉えられなかった新しい客層を捕まえることでオンライン販売を含む全体の売上を伸ばしていきたい考えです。
都市型店舗は体験することで東京郊外の大型店にも足を運ぶようになると思う。
その経験からさらにオンライン販売も利用してもらえる可能性がある。