5月18日に今年1月から3月までのGDP(国内総生産)の成長率が発表されました。物価変動を除く実質は前の3ヶ月と比べ0.2%減り、これが1年続いた場合の年率換算では1.0%の減少となりました。その要因がGDPの半分以上を占める個人消費の低迷です。新型コロナによる行動制限などを受け、外食旅行などのサービスが落ち込みました。ただ4月から6月は回復するとの見方が多く、今後の回復を見越しチャンスを掴もうと動き始めている企業があります。
復活屋上ビヤガーデン!どうなる"夜の消費"!?
午後5時過ぎ。
角谷暁子キャスター

こちらの屋上で今日ビヤガーデンがオープンしましたが、夕方5時の段階で少し空席がありますが、皆さん少しずつ入ってきています。
お客さん

うまい。
お客さん
最高だ。

5月18日からオープンした銀座ライオンビヤガーデン 髙島屋大宮店、去年は緊急事態宣言などの影響を受けて休業していたため2年ぶりの復活です。
角谷暁子キャスター
ビヤガーデンはいつぶりか?

お客さん

2年ぶり。
お客さん

ずっと行きたくて、本当に待っていたかいがあった。
お客さん

きょう開店ということでいても立ってもいられない。
緊急事態宣言とかいろいろなものが明けてきて、ようやく集まれるように少しずつなってきたのでうれしい。
行動制限が解除され回復が期待される外食産業。しかし、JCBがクレジットカードの利用データを使った調査では4月後半でも居酒屋での利用はコロナ前と比べ半分以下に。夜の消費の回復はこれからのようです。
この店でも予約はコロナ前と比べて7~8割程度にとどまっています。
角谷暁子キャスター
2019年の売り上げに戻していけそうか?

銀座ライオンビヤガーデン 髙島屋大宮店
斧木勝吾店長

必ずしも戻るとは今の段階では分からないのが正直なところ。
お客様の期待感は戻ってきている。
気になる消費の先行きについて専門家は…
日本総合研究所 上席主任研究員
西岡慎一さん

2年間かなり消費を我慢してきたので外食や観光・レジャーに消費をあてる。4-6月期はGDPの成長率、年率で5~6%の伸びは期待できる。
大幅な回復を予想する西岡さん、そのカギに挙げたのがインバウンドの復活です。
インバウンド狙い反転攻勢!
くら寿司 京都に新形態店舗
5月18日に発表された4月の訪日外国人数はコロナ前の5%ほど。政府は来月以降、外国人観光客の本格的な受け入れ再開を検討しています。
日本総合研究所 上席主任研究員
西岡慎一さん

円安が進んで海外の人から見れば日本の物価は非常に安い状況。
インバウンド需要のマグマは非常にたまっている。
日本屈指の観光地、京都。
観光客の姿は徐々に戻りつつありますが…
京七宝 販売店

インバウンドのお客様が少ない。国内旅行がほとんど。
海外からのお客様も来てくれたらいい。
土産物店

もともと海外からのお客様が多くて、外国人客にはかなり期待している。
待ち望まれるインバウンドの復活。
そうした中、5月19日に京都にオープンするくら寿司の新店舗。早くもインバウンドを狙ったスタイルです。
店に入ると壁一面に相撲の番付をあしらったメニュー表。
さらに…
くら寿司 岡本浩之取締役

日本文化の象徴であるすしをわかりやすく説明している。
巨大な浮世絵に客席は白木造り。コテコテの日本で外国人客をもてなす予定です。
くら寿司 岡本浩之取締役

京都は非常に象徴的な場所。観光客が多い。
コロナからの回復期を象徴するような店になる。
インバウンドがどうなっていくか期待しながら。
"高級ホテル"出店を加速
インバウンドを見越した動きは別の業界でも。
ウエディング事業などを手掛けるテイクアンドギヴ・ニーズは5月18日に東京・渋谷区などに新たなホテルをオープンすると発表しました。
テイクアンドギヴ・ニーズ
野尻佳孝会長

インバウンドが日本で訪れる場所1位、渋谷スクランブル交差点。
しかしホテル数が少ない。
来年の夏に開業するホテル「トランクホテル ヨヨギパーク」は屋上に設置されたプールが特徴。料金は1泊2人で5万円ほどを想定しています。
テイクアンドギヴ・ニーズではコロナの影響で主力のウエディング事業の売り上げが一時6割以上も減少。海外のウエディング事業の売却に追い込まれました。
今年に入ってコロナ前の水準にほぼ戻っていますが…
テイクアンドギヴ・ニーズ
野尻佳孝会長

ブライダル市場が成長するかというと少子化で縮小していく。
ホテル事業は伸びる。
いま展開しているホテルはコロナ前まで9割が海外からのお客さんでした。
今後、外国人観光客が戻ってくることを見据えホテル事業をさらに強化。2030年度までにおよそ30店舗に増やす考えです。
テイクアンドギヴ・ニーズ
野尻佳孝会長

インバウンドはもう世界中を旅している。水際対策が厳しくないところは観光ブーム。
水際対策が緩和されればすぐにインバウンドは伸びる。