ビジネス関連 ワールドビジネスサテライト

[WBS]就職活動に異変?長期インターン応募急増のワケ

ワールドビジネスサテライト(WBS)

夏休みは大学生が企業で職業体験をするインターンシップの開催シーズンでもあります。1日から1週間などの短い期間、無給で働くのが一般的ですが、いま数ヶ月以上有給で働く長期インターンに参加する学生が増えているといいます。一体なぜなのでしょうか。

長期インターン応募急増!学生が店舗の責任者に!?

都内のイベントスペースで開かれている食品販売会。賞味期限が近いなどの理由から本来廃棄されてしまう商品を割引価格で販売する会社「クラダシ」の期間限定ショップです。

一橋大学 4年生
クラダシで長期インターン
中垣裕さん

お客様の入店数が少ないのでどう動線を引いて店内に入れるか。

この店を任されているのは一橋大学の4年生、中垣裕さん。この会社で長期インターンシップを始めて半年。週3日、時給1,041円で催事の企画・管理を担当してきました。

そんな中垣さん、店舗にお客さんがなかなか入らない時間が続くとすぐさま動きます。催事のポスターを確認すると…

一橋大学 4年生
クラダシで長期インターン
中垣裕さん

この場所だと視認性が低い。

自ら施設の管理者に掛け合いポスターの設置場所を変えることに。

一橋大学 4年生
クラダシで長期インターン
中垣裕さん

ここに置くことで視認性が高まり認知されてすぐぞこの催事に来てもらえる。

すると早速…

お客さん

エスカレーター上がって看板を見て、食事してから見に来た。

一橋大学 4年生
クラダシで長期インターン
中垣裕さん

マニュアル通りにいかないこともどうにか解決するところがアルバイトでは培えない経験。

オフィスに戻った中垣さん、今度はパソコンに向き合い販売の推移や経費を分析します。売上を伸ばす施策を考えるのも仕事です。

一橋大学 4年生
クラダシで長期インターン
中垣裕さん

商品数を増やす方向性でいこうと思うがどう思うか。

クラダシ社員

50からいくつ増やしたい?

社員に対してインターンが提案をするのも日常茶飯事の光景。実はこの会社、オフィスを見渡すとこの人もこの人も大学生。10人の大学生が長期のインターンシップとして働いています。一体なぜなのでしょうか。

立教大学 4年生
クラダシで長期インターン
川原紀春さん

コロナ禍でそれまでできた活動や大学生活ができず「ガクチカ」として自信を持てる答えがなかった。

コロナ禍で「ガクチカ」が鬼門!長期インターンで変わる就活

ガクチカとは就職面接で必ずといっていいほど聞かれる「学生時代に力を入れたこと」を指します。コロナ禍でサークル活動や留学などを制限されてきた学生が長期インターンでガクチカを得ようとしているのです。

一橋大学 4年生
クラダシで長期インターン
中垣裕さん

ビジネスに近いところで企画や運営を経験しているところはアピールできる。

立教大学 4年生
クラダシで長期インターン
川原紀春さん

社会人0年目として今やっていて、今まで経験したことのない経験がたくさんできたので面接で自信を持てる。

一方、受け入れる企業にとってもメリットがあるといいます。

クラダシ 人事広報部
徳山耕平部長

事業成長を一緒に考えてもらう仲間。
新しい活力になって機会、チャンスになっている。
お互いにとって一緒に働き続けることが良いという結論になれば、ぜひ入社してほしいという思いは正直ある。

長期インターンの募集サイトを運営するエン・ジャパンによると応募する学生はコロナ前から3割ほど増えているといいます。

エン・ジャパン
「キャリアバイト」編集長
北野晃裕さん

これまでできた活動ができないという意味では長期インターンの活動を「ガクチカ」にあてる人も多くなった。
すでにもう社会人経験を積んでいるので即戦力として活躍が見込める。
会社で働くことを理解しているのでアピール材料になる。

さらにこれまでインターンシップで得た情報を採用に活用しないように求めていた政府も2025年卒業の学生から一部認めることに。専門家は今後、長期インターンシップを活用する企業も学生もさらに増えると見ています。

エン・ジャパン
「キャリアバイト」編集長
北野晃裕さん

自社の社風とかカルチャーに合うかしっかり見て見極められるので、採用手法のひとつとして検討する企業が増えていくと思う。
学生にとっては企業のリアルを知れてミスマッチのない就職ができる。
大学時代の活動のひとつとして定着していくと思う。

-ビジネス関連, ワールドビジネスサテライト
-