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[モーニングサテライト]【Marketリアル】クボタ 北尾社長の成長戦略とは…[株式会社クボタ]

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いまマーケットで起こっているリアルな事柄をお伝えする「Marketリアル」。

今回取り上げるのは田畑で活躍するトラクターなどの農業機械で国内トップのクボタです。

クボタの株価を見てみるとコロナ直後の一昨年の3月の安値からは2倍近くに上昇し、足元では2,300円近辺での値動きとなっています。

生産者の高齢化などで厳しい国内農業どう対応していくのでしょうか、そしてグローバル戦略とは、クボタの北尾社長を取材しました。

クボタが目指す未来の農業

大阪で133年前に創業したのが農業機械で国内トップシェアのクボタ。

世界の農機メーカーのランキングでクボタは3位の売上高を誇っています。

さらに狭い場所の建設現場などで活躍する小型建設機械の販売台数では世界トップです。

そのクボタを率いるのが主力製品のトラクター開発畑出身、北尾裕一社長です。

2021年12月期の決算では売上高はおよそ2兆2,000億円。売上高、営業利益とも過去最高でした。

2022年12月期も売上高と営業利益は2期連続で過去最高となる見通しですが、市場の期待には届かなかったため決算発表直後に株価は下がりました。

クボタ
北尾裕一社長

コロナからの回復で世界的に需要が回復してクボタの売り上げが伸びた。
過去最高の売上高・利益を出したが翌日に株価がドーンと下がった。

豊島晋作キャスター

足元の株価については?

クボタ
北尾裕一社長

材料費の高騰やウクライナ情勢の問題が加味され非常に厳しい。
私は個人的には3,000円を目指したい。

クボタは1960年に国内で初めて畑作用の乗用トラクターを開発。農作業の負担を軽減してきました。

堺市にあるクボタの工場「クボタ堺製造所」。

豊島晋作キャスター

こちらがクボタの主力製品であるトラクターの国内最大規模の生産拠点です。

4人がかりでエンジンを組み立てているその理由とは…

豊島晋作キャスター

どれも同じトラクターに見えるが?

クボタ堺製造所 本機製造部
濵﨑省治さん

全部違う。
完全ミックス生産で違うトラクター。
完全受注生産でやっている。

豊島晋作キャスター

トラクターは何種類ある?

クボタ堺製造所 本機製造部
濵﨑省治さん

450型式。

受注内容により1台1台仕様が異なるため手作業での組み立てが必要なのです。

クボタ堺製造所 本機製造部
濵﨑省治さん

オーストラリア向け。
アメリカ向け。

この工場ではトラクターを月におよそ3,000台製造。そのうち8割以上を輸出しています。

実はクボタは海外売上高比率が7割以上のグローバル企業なのです。

豊島キャスター、田畑を耕すためのトラクターに試乗させてもらうことに。

豊島晋作キャスター

エンジンを掛けていいということですので掛けさせていただきます。

これは北海道向けのジャガイモ畑で使われる予定のトラクター。価格はおよそ1,200万円から。この大きさでも世界的には中型だそうです。

豊島晋作キャスター

クルマを運転する感覚と全然違います。視野も広いし。

海外からの注文が殺到し、フル生産が続く一方、日本国内では農業人口の減少からトラクターの出荷台数も年々減り続けています。

衰退する日本の農業の打開策、それが情報通信技術などを活用したスマート農業。

例えば作物の収穫時にたんぱく値や水分量をセンサーで計測できます。

また自宅に居ながら耕耘から収穫までできる完全自動化の農機をクボタは目指しています。

完全自動化の農機を目指す

豊島晋作キャスター

スマート農業で日本の農業は変わっていく?

クボタ
北尾裕一社長

変わっていくと思っている。
新規参入者でもパートタイムの人でも簡単に農業機械が運転できる。
IT化で農業を全部見える化することで収量や品質を上げていく。

未来の農業を目指すクボタ、実は意外な顔も持っています。

全世界から注文のエンジン

トラクターの国内最大規模の製造拠点、クボタ堺製造所。

実はここでは世界中のメーカーからの依頼でさまざまなエンジンを製造しています。

豊島晋作キャスター

いろいろなエンジンがぶら下がっているが何のエンジンですか?

クボタ堺製造所 エンジン製造部
横田健さん

白いのは発電機のエンジン。
小さい小型のエンジンはミニショベルカー。
これは芝刈り機のエンジン。
顧客によって形が違うのでオーダーメイドになる。
世界に1台しか存在しないエンジン。

クボタは自社の農機などに搭載するエンジンのほかに世界各社の建機や産業機械のエンジンも製造。その8割以上を輸出しています。

この工場で1日で製造するエンジンはおよそ1,300台。

その種類はなんとおよそ3,000パターンにも上るそうです。

豊島晋作キャスター

忙しい?

クボタ堺製造所 エンジン製造部
横田健さん

過去最高で忙しい状態。

豊島晋作キャスター

この忙しさは経験ある?

クボタ堺製造所 エンジン製造部
横田健さん

初めてです。

国内首位 水道用鉄管メーカーの実力

さらに千葉県船橋市にあるクボタの日本最大の水道管工場「クボタ京葉工場」。

実はクボタは1904年に日本で初めて水道用の鉄管の量産化に成功した会社。

現在、国内のおよそ6割の水道用鉄管を製造しています。

農機などの機械と水道管などの水・環境関連で売上高のほとんどを占める、まさに機械と水の企業です。

豊島晋作キャスター

水道管の原料は何かというとスクラップ、鉄くずなんです。

クボタでは鉄スクラップを原料として100%リサイクルで水道管を製造しています。

豊島晋作キャスター

非常に熱いです。火花が飛んでいます。水道管の原料となる溶けた鉄、溶鉄です。

鉄スクラップを1,500度の高熱で溶かしていきます。

クボタは生産本数を倍にするため2本の水道管を同時に製造できる独自技術を開発。その後、加工・塗装をして水道管が完成します。

長さ5m、重さおよそ200kgの水道管。

この工場では1日におよそ3,000本を製造。フル生産状態です。

さらに地震が発生しても継手が外れない構造の耐震型水道管も開発。

あの東日本大震災でもクボタの水道管は壊れることはありませんでした。

どの工場も活況で忙しいクボタ。秋ごろには堺市に新たに研究開発拠点を開設します。

豊島晋作キャスター

絶好調だが今後の見通しは?

クボタ
北尾裕一社長

材料費の高騰、物流費の高騰、これが相当かかっている。
コロナも含めてサプライチェーンの問題、地政学上のリスクがいろいろ出てきた。
社内でもどう対応していくかを検討。

サプライチェーンの混乱、5月に発表した2022年第1四半期の営業利益は前年比およそ15%のマイナスに。

社運をかける勝負

世界情勢が不安定な中、北尾社長は社運をかける勝負に出ました。

決戦の場は世界最大のトラクター市場、インド。

インド市場に進出 狙いは?

トラクターの世界市場は年間およそ230万台。インドはそのうち90万台を占めます。

インドではトラクターを農作業のほかに荷物や人の運搬に使うのが特徴。

クボタはインドで4位の農機メーカー「エスコーツ」にM&Aを決行。4月に1,500億円で買収が成立したのです。

その狙いとは…

クボタ
北尾裕一社長

インドを輸出拠点としたい。
インドを拠点にヨーロッパとかアフリカに、アフリカは農業機械が増えてくるとみている。
高級機と低価格機市場ともこれから伸びてくると思っている。

そこに立ちはだかるのが低価格を武器にするインド農機最大手のマヒンドラ&マヒンドラ。

M&Aによりクボタとエスコーツのインドでのトラクターシェアはおよそ13%。

一方、マヒンドラ&マヒンドラはその3倍のおよそ4割を占めています。

豊島晋作キャスター

インド最大のマヒンドラ&マヒンドラと戦っていく。勝てますか?

クボタ
北尾裕一社長

十分勝算はあると思っている。
低価格で品質の良いもの、クボタとエスコーツ流でミックスして全世界に出すというのがここにかかっている。

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