ヨーロッパでは新型コロナウイルスの感染再拡大が勢いを増しています。
イタリアのミラノでは22日から深夜の外出禁止が始まるなど各国が対策に追われています。
こうした中、日本では医療現場や企業などでは新型コロナとインフルエンザの同時流行も見越した準備を急ピッチで進めています。

医療法人社団 晃悠会 ふじみの救急クリニック
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埼玉県にある「ふじみの救急クリニック」。

新型コロナ感染拡大の初期の頃から積極的に患者を受け入れてきました。
ふじみの救急クリニックの鹿野晃院長、
リスクを恐れて手を出さないという選択肢はなかった。

当院ができることは全力でやるという思いで今までやってきた。

4月から屋外にコロナ患者用のプレハブ病床を19床設置。

1億円近い借金をしての決断だったといいます。
さらに、
いまこちらに新しい建物を建築中でもうすぐ完成する。

今後の感染再拡大に向けて建物を増築。来月中旬に完成予定です。

隣接する畑はドライブスルー方式のPCR検査場に整備します。

新しい建物でもコロナ重症患者を優先的に収容することにしています。
ここがICU(集中治療室)とHCU(高度治療室)になる。

増築や新たな機器の導入などにかかる費用はおよそ10億円。病床数は以前の2倍の38床に増やし国からの補助金は増えるといいますが経営面では厳しい状況が続きます。

社会的責任が最優先。人名が最優先される。

医療従事者としての責務を果たすために採算度外視でやれることはしっかりやる。

江戸川保健所
また一時はパンク状態のところも多かった保健所でも対応が進んでいます。

江戸川区では主に感染症対策係の13人が新型コロナの業務にあたっていましたが先月から体制を変更。他の部署の職員がコロナの業務を兼務するかたちを取り、84人で対応することにしました。

患者の健康観察を担当するチームや電話相談のチームなど18のチームに分けて担当する業務を明確にしました。

江戸川保健所の渡瀬博俊所長、
特定の人に過重な負担がかからないようみんなで分担する。

業務の流れをスムーズにするため、同じ時間に複数のことを並行して処理する体制をつくった。

医療法人社団 げんき会 あゆみクリニック
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新型コロナ患者の増加が予想される冬に向けて町の小規模なクリニックも準備を進めています。

開業して20年になるあゆみクリニック。
医師は院長のみですがコロナ患者の受け入れを3月から開始。

国はこうした小規模なクリニックについてもコロナ患者の受け入れ先として増やしたい考えで、今月から保健所を通さず直接発熱患者らを受け入れられるよう制度を変更しました。

その先駆けともいえるこちらのクリニックでは…
あゆみクリニックの藤川万規院長、
こちらはPCR専用の駐車場。

院内は狭いため空いていた駐車場を借りて車に乗ったままでできるPCR検査場を作りました。

ここにも効率よく検査するための策が。
検査カート、一件一件車をまわるのでカートに検査キットが入っている。

インターネットで購入したスーパーのカートとパラソルで手作りした検査カート。

何度も行き来しないで済むようにインフルエンザや溶連菌などほかの検査キットも積んでいます。
車で来られない患者は外にあるテントで待機します。
立派な陰圧テントが欲しいけれど高額なのでキャンプ用の大きめのテント。

仕切りがあるテントを2つ用意。5人が待機できるようになっています。

地域の人の頭が痛いとか、熱が出たとか、風邪の症状を診ることが開業医の役割。

全ての医者が対応したら助かる。

前田工繊株式会社
[blogcard url="https://www.maedakosen.jp/"]
企業側も現場を支える商品を生み出しています。

こちらのテントは…

前田工繊の山田宏一さん、
素材については日本製の不織布で出来ています。

マスクなどを製造しているこちらの企業。体調の悪い人の待機場所や検査場所の確保を目的としてこの不織布テントを開発しました。

2畳ほどのスペースを確保できる不織布は1枚1万3,000円ほど、使い捨てですが建物の改修などを行わず低コストで別空間を作り出すことができます。


小規模な病院でもこれを導入することで感染症対策になる。
