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[WBS]北朝鮮との緊張高まるなか韓国4年ぶり訓練公開の狙いは

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北朝鮮が異例のペースでミサイル発射を繰り返し、軍事的挑発を強める中、韓国は10月26日に国内外のメディアに向けて海軍や海兵隊などおよそ6,000人を動員した大規模な軍事訓練を公開しました。一体なぜこれまで非公開にしていた訓練を4年ぶりに公開したのでしょうか。

韓国4年ぶり 上陸訓練公開
北朝鮮 7度目の核実験に警戒

午後1時、韓国南部の浦項(ポハン)。爆発音が鳴り響き、茶色い煙幕の中から現れたのは水陸両用の装甲車。そして、続々と飛び出して来る小銃を抱えた兵士たち。

これは10月26日に公開された韓国軍による上陸訓練。およそ6,000人が参加し、空と海から敵陣に上陸して、目標地域の確保を目指します。

韓国海兵隊
金泰元大佐

今回の訓練を通じて任務が付与されれば、いつ、どこで、どんな状況でも直ちに対応できる能力と態勢を備える。

断続的に米軍との演習なども続けている韓国軍ですが、こうした上陸訓練が報道公開されるのはおよそ4年ぶり。

北朝鮮がミサイル発射を繰り返す中、今回報道公開に踏み切った背景には北朝鮮に対して強固な抑止力を示す狙いがあると見られます。

さらに今、新たな脅威にも警戒を強めています。

韓国
尹錫悦大統領

北朝鮮は核の先制使用を公に表明するだけでなく、7度目の核実験の準備もすでに終えたものと判断される。

韓国はすでに北朝鮮が核実験の準備を終えたと分析。

10月26日の国会でも…

韓国 与党「国民の力」
非常対策委員長
鄭鎮碩氏

北朝鮮の核ミサイル問題は全く新しい局面に入った。
韓国における北朝鮮の核対応策も全面に見直さなければならない。

一方、日本では日米韓3ヵ国の外務次官による協議が行われました。協議では北朝鮮の核・ミサイル開発をめぐり「国際社会に対する明白かつ深刻な挑戦だ」と非難。

北朝鮮は後ろ盾としている中国の共産党大会終了後に7度目の核実験実施を模索している可能性がありますが、日本の森外務次官は…

外務省
森健良事務次官

北朝鮮の完全な非核化に向け地域の抑止力強化に加え、安保理を含む国連における対応、外交的な取り組みといった観点から一層緊密に連携することで一致した。

日米韓 ウクライナ侵攻を懸念
プーチン大統領「核」部隊を視察

さらに10月26日の協議では北朝鮮情勢だけでなくロシアによるウクライナ侵攻も議題になりました。

ロシアをめぐってはアメリカの国防総省が10月25日にロシアから核戦力運用舞台の演習を実施するとの通知を受けたと明らかに。

そして10月26日にロシア大統領府はプーチン大統領がこの演習を映像を通じて視察したと発表しました。

戦時下での核戦力にかかわる演習のため警戒が強まっています。

ウクライナ側が放射線物質を拡散させて被害を与える、いわゆる「汚い爆弾」の使用準備を進めていると一方的に主張しているロシア。

核の使用をチラつかせ口実作りを狙うかのようなロシアの一連の動きに3ヵ国は深い懸念を共有しました。

アメリカ
シャーマン国務副長官

ロシアのようなヨーロッパの国がウクライナの主権が及ぶ領土を侵攻できることは他の国に行動を起こすための許可証を与える可能性があるということだ。

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