ずらりと並んでいるのは高級感のあるポテトチップスです。

湖池屋が2017年から展開しているフライドポテトならぬプライドポテトと名乗るシリーズや、ライバルのカルビーが一昨年から発売したザ・ポテトなどです。
実はこうしたブームの先駆けとなったのが湖池屋が2015年からネット通販でスタートした商品です。
ブランドイモを使用していて定価が1袋およそ300円とかなり高級ですが、一部ではおよそ5倍のプレミア価格が付くほどの人気となっています。
盛り上がりを見せる高級ポテト市場を牽引する湖池屋の新戦略を取材しました。

株式会社湖池屋
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北海道の南西部に位置する今金町。人口およそ5,000人の町です。

この町が誇る作物が…
ぴりかファームの西政明事業部長、
これが「今金男しゃく」。イモの中では最高のイモ。

湖池屋が限定販売している高級ポテトチップスにも採用された今金男しゃく。

品種は普通の男爵いもですが、何が違うのでしょうか?
増田洋一記者、
ホクホクです。お口の中に入れた途端、溶けるような感じですごくクリーミー。

昼夜の寒暖差の大きい今金町で作られる男爵いもはいものホクホクを決めるデンプンが通常より1割ほど多く含まれるといいます。

今金町と隣のせたな町でしか収穫されないため、幻のジャガイモとも呼ばれています。

ただポテトチップスの発売以前は知名度が高くなかったといいます。

JA今金町営農部、佐藤貴弘部長、
生産量が少ないためたくさんの場所に多く出荷できず広告も局地的にとどまっていた。

湖池屋の知名度アップに貢献してもらったと考えている。

さらに今年9月、地域ブランドを守るための農林水産のGI(地理的表示)への登録も果たしました。

GI制度登録はその作物の歴史が深く関わるが認知度も必要だった。

湖池屋とコラボレーションで今金男爵の知名度が全国的になった。

新商品発表会
札幌市にある農協のビル。

11月11日、この場所で新たな商品発表会が行われました。

それぞれの農協が手塩にかけたイモを世の中に知ってもらうためにポテトチップスにする。

発表されたのは北海道産のジャガイモ3種類を使った新たな高級ポテトチップスです。

雪のように色が白く、ほのかの甘みが特徴の「スノーマーチ」を含め「ひかる」に「きたむかい」と2,000年以降に登場した新品種が選ばれました。

湖池屋の佐藤章社長、
本当に付加価値でポテトチップスを選んでもらえる形にしたいと思う。

湖池屋は今金男しゃくに続き、3品種のブランド化を目指します。

課題
ただ今回の発売にあたっては課題もありました。

デンプンの含有量の少ない加工用のジャガイモと比べると揚げたときに焦げやすいのです。


このため湖池屋は今回の新商品発売にあたり専用ラインを用意。

揚げる温度を品種ごとに調整するなどし、ようやく商品化にこぎつけました。

湖池屋は今回、発表会をあえて東京ではなく札幌市で行いホクレンとの協力体制をアピール。

ホクレンの幹部は…
ホクレン農業協同組合連合会の伊藤政光副会長、
付加価値を少しでも高めるというのを生産者が望んでいるし、だから今回このような専門会社と手を組んでやる。

一方、湖池屋は、
私がスナック業界に来たとき非常に憂えたのはこの10年ポテトチップスの価格が下がり続けたこと。

これだったらお金を払うという状態を作るのが僕の仕事。
