がっちりマンデー!! ビジネス関連

[がっちりマンデー] 儲かる「業界の2強」!(1)

2019年8月18日

儲かる「業界の2強」!

小林製薬株式会社

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エステー株式会社

[blogcard url="https://www.st-c.co.jp/"]

業界の2強!ライバル対決!

まずは消臭芳香剤。

この業界の2大巨塔といえば小林製薬の「消臭元」とエステーの「消臭力」。

空気の嫌な匂いを消す芳香剤として一文字違いで競い合っているこの2つは20年前から販売競争を繰り広げてきました。

そんな2つを販売する小林製薬とエステーを直撃すると…

小林製薬のブランドマネージャー、井戸玲子さん、

消臭力は一番のライバル。

小林製薬の広報、栗山一希さん、

負けられないし、負けてもない。

「自信はあります?」

エステーの事業部、高野豪さん、

もちろんあります!

エステーの広報、丸野綾子さん、

消臭元には負けません!

とお互いを意識しまくり!

さらに商品を愛するあまり…

居酒屋とかで飲みに行った時も誰かがトイレに行って帰ってきたら必ず消臭元、消臭力、どっちだったか聞く。

言う!絶対言う!

消臭力だったら今日気持ちよく飲めるな。

まさに2強あるあるです。

そんな消臭元と消臭力はお互いがライバルに負けまいと絶え間ない進化を繰り返してきたのです。

消臭元

2強対決が始まったのは1995年。

最初に販売を始めたのは消臭元。

その商品がこちら。

日本になかった350mlの大容量タイプ。

90年代以前は小林製薬がサワデー、エステーがシャルダンと香りを売りにしたコンパクトな芳香剤が主流でしたが、そこに日本初となる消臭効果に特化した大容量長持ちタイプの消臭芳香剤として小林製薬が消臭元を発売。

「消臭の元」という意味が込められたシンプルで聞きそうな名前とフタを開けろ紙で消臭するというユニークな手法が受け半年間で5億円を売り上げる大ヒットとなったのです。

その後もお部屋用を販売したり、香りの種類を増やすなどして売上を伸ばしていた消臭元。

消臭力

しかし、そこに真っ向勝負を仕掛けてきたのがエステー。

消臭元発売後から5年後の2000年、なんとたった一文字違いの消臭力を販売スタート。

これには小林製薬も…

「消臭力にパクられた感はあった?」

まあ無くはないかなと。

消臭元によく似てるな。リスペクトしてくれたのかなと。

真相をエステーに聞いてみると…

「消臭元をパクった?」

パクリではない。

パクリじゃないと断言。

力強い力士とか、プロレスラーの力道山とか、力がつく人は強い方が多い。

消臭力という名前にしました。

消臭のパワーを力強く見せるためにこの名前になったということらしい。

消臭元VS消臭力!その違いとは?

しかしこの2つ、名前は一文字違いでもその仕組みには大きな違いが!

消臭元は直接下の液体に浸かったろ紙を引き上げ、でっかいろ紙で消臭するのが特徴ですが、消臭力は細い吸引用の棒で液体を吸い上げ上の部分にあるろ紙で消臭する仕組み。

こうして始まった消臭元と消臭力の2強対決ですが…

発売当初は消臭元の方が圧倒的に売り上げは上。消臭力の売り上げは消臭元の半分ほどでした。

そこで2004年、エステーはとある奇襲作戦に打って出る。

350mlだったのを400mlに変更。

もともと消臭元と同じ350mlで売っていた消臭力のサイズを突如400mlに変更!

直前まで情報を流さず出した小林製薬にとってはまさに「寝耳に水の作戦」。

その結果、

年間で1.6倍売れるようになった。

なんと売り上げ1.6倍といきなりのバカ売れ!

まさに奇襲作戦大成功!

もちろん消臭元も黙っていません。

大きさで上回ってきたか。

情報を受けてうちも増量しなければ。

社長に提案し即動いた。

新型消臭力が発売された直後に消臭元もすぐさま400mlに変更したのです。

「後から出したのに消臭元が真似してきたのは?」

それは気持ちいいですよね。

やられたらやり返すみたいなやり合いが始まったな。

ここからも消臭元と消臭力はお互いに独自の戦略でで突き進んでいきます。

消臭元はとにかく効き目重視。

消臭元が一貫してこだわってきたのはでっかいろ紙。

機能や効果感は絶対負けない。

とにかく消臭の効き目がお客様に伝わるよう力強いむき出しろ紙パワーでアピールし続けてきました。

引き上げた瞬間に「ジュボッ」。

商品の使い始めは1番お客様が手にとって触れる瞬間。

そこのタッチポイントはスゴく大事にしている。

その結果、消臭元の液体タイプの年間売上げは73億円までに成長。

2018年にはギネス記録にも認定されたというからスゴい!

一方、消臭力はちょっとい違ったアプローチ。

消臭力の方がスタイリッシュでお部屋にも合う。

デザインもお部屋のインテリアとして馴染むよう商品ラベルを裏側にもデザインを施すこだわりも。

これは消臭元とは違う細い吸引棒だからなせる技。

さらにろ紙にもちょっとした仕掛けが。

ろ紙にナノパウダーを配合している。

ろ紙に小さなつぶつぶを埋め込むことで消臭剤を出すだけではなく嫌な匂いを吸い込むといった構造に。

その後もお互いに次々に芳香業界を広げる新たな商品を次々に投入していきます。

市場にない、あったらいいなを生み出す。

お互い切磋琢磨して商品開発。

クルマのエアコンに取り付けるタイプのものや悪臭を瞬間的に取るトイレ用スプレーなど新商品をどっちかが出せば負けずと出すといいたまさにしのぎを削るマッチレース。

消臭元と消臭力、20年近くにわたり業界をリードし続けてきたのです

そして2019年現在は両社奇しくも商品パッケージをグッと高級感溢れるプレミアム路線にシフト。

あえて商品名も小さくしたこの作戦、果たしてどんな結果が出るのか…

今後もその戦いから目が離せません!

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