北星鉛筆株式会社
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東京・葛飾区。
ここに創業から65年の老舗企業があります。
北星鉛筆株式会社。
従業員28人の小さな町工場ですが、年間2,000万本以上の鉛筆を製造しています。
それは国際生産量の10%を超える数です。
専務の杉谷龍一さん(40歳)。
鉛筆の材料は木。木というのは生ものというか生き物。それをいかに同じように仕上げるのが職人の勘。
鉛筆の製造
北星鉛筆株式会社はここ40年、ほぼ変わらぬやり方で鉛筆を作り続けてきました。
一番大事なのは芯を入れるための溝を掘る工程です。
職人が溝を掘った板を2枚合わせて覗き込んでいます。
芯が入る溝が9ヶ所全部正しいか。常にチェックして悪ければ修正、繰り返しやっている。
溝を掘る刃を微調整するのが腕の見せ所。
道具は長さ5cmほどの細長い砥石です。
それを使い溝を掘る刃を1000分の1ミリ単位で研いで調整します。
少しでも不具合あると、書いている時に芯が抜けてしまうことがあるのです。
品質を左右する大切な作業。
完璧に削られた板に接着剤を塗り、芯を入れ、もう一枚の板を貼り合わせます。
それを切断すれば鉛筆の出来上がり。
芯が中心に入るとか、ちゃんとした形の鉛筆ができるというだけで、なかなか難しい技術。職人が一人前になるには大体10年。
職人の腕
職人の腕がよく分かるのが外国製品との比較。
北星鉛筆株式会社の鉛筆は当たり前のように芯が中心にきています。
一方、中国製の多くはズレていました。書いている最中に折れやすいといいます。
しかし日本の鉛筆、少子化やペーパーレス化の影響で生産量は激減しています。
ピークの昭和44年と比べるといまや7分の1です。
大人の鉛筆
周りの同業者が次々と廃業していく中、北星鉛筆株式会社は生き残りをかけて新商品を生み出しました。
それが「大人の鉛筆」です。
いまや100万本を超える大ヒット商品です。
押し出すとシャープペンのように鉛筆の芯が繰り出される。シャープペンの使い勝手だけど鉛筆の書き心地を楽しめる。大人向けの鉛筆を作った。
長年培ったノウハウを生かして開発しました。
押すと芯が出るため、持ち運びしやすく、鉛筆のように書き方次第で濃淡を出すこともできる製品。
大人のノスタルジーを刺激しました。
これまで、あえてシンプルなデザインだった「大人の鉛筆」。
これに模様がついた新製品がラインナップされようとしています。
その柄は和風テイスト。
そこにも狙いがありました。
東京オリンピックが決まったこの機に、和柄を出してもいいのかなと。外国の方にも大人の鉛筆の良さを知ってもらいたい。
新しい和風の「大人の鉛筆」は9月末に発売される予定です。
技術だけ持っていても、何もしなければなくなる業界はいっぱいあるので、新しいアイデアを加えていく。いかに鉛筆をこの場所で作り続けるかというのが目標。
急速に失われつつある日本の職人技。
それを守ろうと動き出した人々の、これまでにない挑戦を追いました。
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