MUTEKI
ランニング人口が1,000万人を突破した日本。
市場規模が拡大する中、各社様々なシューズを開発していますが、いまランナーたちの間で話題になっているシューズがあるそうです。
ランニング歴3年の男性が履いているシューズ、よく見るとどこかで見たカタチ。
ランニング用の足袋。これに替えたら故障しなくなった。膝や股関節が痛くなっていたが、それがなくなった。
実はこの「ランニング足袋MUTEKI」は、足への負担を軽減するためにランニング用に開発された足袋なんです。
きねや足袋株式会社
作っているのは埼玉県行田市にあるきねや足袋株式会社。
80年以上の歴史を持つ老舗足袋工場です。
実は行田市は全国シェアの50%を占める足袋産業の聖地。
しかしこの20年で足袋の出荷額は約5分の1にまで減少しました。
足袋の需要が落ち込む中、起死回生の商品としてランニング用の足袋を開発したのが3代目の中澤貴之社長。
足袋は着物と仕事で履くイメージが強すぎた。ランニングやウォーキングなどの販路で売りたい。
追求したのははだし感覚。
ソールは柔らかな天然ゴムを使用。厚さもわずか5ミリと薄くすることでしなやかさを実現し、足の自然な動きにフィットします。
さらに足袋の形状を生かすことで、
指先が二股に割れていることで前の方に意識がいく。前方からはだしのように密着する。
はだし感覚
はだし感覚とはどのような履き心地なのか?
まだ使ったことのないランナーの方に体験してもらいました。
靴を履いている感覚じゃない。かかとがほとんど着いてなくて、つま先で走っている感覚に近かった。
つま先から着地するのは裸足で走っていた人間本来の走り方。
一方、普段使っているランニングシューズだと着地はかかとからです。
一般的にかかとからの着地は足に負担がかかるのでケガにつながることが多いといわれています。
3年前に商品化したところ、口コミで評判が広まり、いまでは月に300足以上売れる人気ぶりです。
累計販売数は約4,000足。
シルホイール
販路拡大を狙った足袋の広がりはこんなスポーツにも。
リングを手と足で自在に操り技を競い合うシルホイール。
世界選手権3位の森更紗さんは、
足を手のように使え4本の腕があるような状態でコントロールができるのでメリットがある。
新商品
現在、中澤貴之社長は新商品を開発中。
子どもやお年寄りでも履きやすくするため素材や形状の改良に取り組んでいます。
開発をサポートするのはランニングコーチ・鍼灸・あん摩マッサージ・指圧師の高岡尚司さん。
ランニングコーチの経験からケガに悩む多くのランナーを見てきました。
走り方を見直す、ひとつの流れをつくりたい。日本人みんなの足に革命を起こせたらいい。
アイデアを駆使して新たな足袋の価値を生み出す中澤貴之社長。
その想いは、
子どもたちも含めて高齢者まで、本当に足袋のことを知らない人も知っている人も再認識してもらいたい。
ランニング足袋をきっかけに新たな足袋産業を作れるのか、挑戦は続きます。
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