「ゲノム編集」という言葉をご存知でしょうか?

体の形や働きを決める遺伝子を効率よく書き換えることができる技術で、早ければこの夏にもゲノム編集を施した食品が市場に流通するかもしれません。
われわれの食卓に広がることになるのでしょうか?

近畿大学水産研究所
[blogcard url="http://kindaifish.com/"]
和歌山県白浜町。

黒マグロの養殖で有名な近畿大学の研究施設。

いま新たな魚の養殖実験を始めています。
近畿大学水産研究所の家戸敬太郎教授は、
このハウスの中には100匹ぐらいいる。

施設の中で養殖していたのは真鯛。
ゲノム編集
しかし、普通の真鯛ではありません。ゲノム編集を施した真鯛で通常より大きく育つのが特徴です。

同程度の養殖期間の真鯛と比べてみると厚みが違います。

筋肉量を増やすため、ミオスタチンという遺伝子を働かなくした。

受精卵の段階でゲノム編集を施し、筋肉の成長を抑制するミオスタチンという遺伝子の働きを止めたといいます。

今回のゲノム編集は特定の遺伝子を切除するもので、自然界でも起こりうる突然変異を人為的に引き起こしたものです。

「味はどう?」
柔らかくなって、もちっとした食感。

個人としてはおいしいと思う。

遺伝子組換え技術
似た技術に遺伝子組換えがあります。

青いバラはこの技術で生まれました。バラが本来持たない青い色素を別の花から組み込みました。
他の遺伝子を掛け合わすことで自然界では通常起こりえない突然変異を起こす点で大きく異なります。

家戸教授はゲノム編集による品種改良は養殖産業の可能性を広げると考えています。
養殖生産の効率は上げることができる。

最終的な目標としては日本の養殖産業を今は停滞気味だけど、もう一度成長産業にしていきたい。

他にもアミノ酸を多く含むトマトやアレルギー物質の少ない卵を生む鶏など、大学や研究機関でさまざまな研究開発が進められています。
厚生労働省
[blogcard url="https://www.mhlw.go.jp/index.html"]
こうした中、厚生労働省の専門部会は先月、ゲノム編集で品種改良した農水産物の一部を届け出のみで販売しても良いとする報告書をまとめました。

厚生労働省の医薬・生活衛生局食品基準審査課、吉田易範課長、
ゲノム編集技術の遺伝子の状態を見た場合に従来の品種改良でも起こり得るような遺伝子の変化。

そういったものは従来と同じ安全性のレベル。

正しく理解してもらうことがまず第一歩。

遺伝子組換え作物が専門家の審査を受けなければいけない一方で、一部のゲノム編集食品については従来の品種改良と変わらないとして無審査での販売が可能となる見通しです。

街の声
夏をめどに制度整備を進める国に対し街の人は…
おいいいなら別に気にしない。
審査とかないなら嫌。

怖い。副作用とかありそうで怖い。

不安を感じる人も少なくないようです。
パルシステム生活協同組合連合会
[blogcard url="https://www.pal.or.jp/"]
首都圏を中心におよそ152万人の会員を抱える生協も懸念を示します。

パルシステム生活協同組合連合会の商品開発部、江川淳専任部長は、
一般消費者がどのくらいリスクがあるかを理解できているかについてはまだだと思う。

食品としての使用は時期尚早。

表示をしていくことで消費者が選択できるのが最低条件。

流通に向けて加速するゲノム編集食品。
広く受け入れられるのでしょうか…