株式会社桔梗屋
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武田信玄ゆかりの地、山梨県。
この土地で生まれたロングセラー商品が「桔梗信玄餅」。
きな粉がたっぷりかかった餅に黒蜜をかけて食べるのが特徴です。
物心ついた時から食べている。
これを「まずい」という人がいないので、あげたら絶対に喜ばれる。
発売から48年、年間約3,650万個売れる「桔梗信玄餅」、その根強い人気の秘密に迫ります。
桔梗信玄餅
「桔梗信玄餅」を作っているのが山梨県笛吹市にある株式会社桔梗屋。
工場の中を株式会社桔梗屋の一瀬裕士さんが案内してくれました。
こちらが桔梗信玄餅の餅を練る工程。
商品の肝となる餅には国産の餅粉を使用しています。
柔らかく仕上げるために水あめを使うのがポイントです。
出来上がった餅は1日寝かせた後、切り分けるために大きな機械に入れます。
そのまま餅を切るとはりついて、うまく切れない。きな粉をまぶしながら餅を切っている。
きな粉をまとった餅はかたちを整え、容器の中に入ります。
ここまでの工程は機械が中心です。
ただ、ビニールの風呂敷を包むのは全て手作業。
1つ包むのにかかる時間は、わずか6秒です。
この手作業の風呂敷包みには理由がありました。
4代目社長の中丸眞治相談役は
包装する機械を買えなかった。ビニールを風呂敷包みのように手で包めば機械がなくてもできると思った。
桔梗信玄餅の誕生秘話
1889年に甲府市内で創業した株式会社桔梗屋。
3代目になるとピンチが訪れました。
昭和30年代後半(1960年以降)になると和菓子の店は洋菓子チェーンに押されて商売が厳しくなった。
1967年、店の危機を乗り越えようと新商品の開発で頭がいっぱいだった3代目の中丸幸三社長(当時45歳)はあるアイデアを思いつきます。
それは山梨でお盆の時期に食べる習慣のある安倍川餅です。
これを元に名物を作ろうと考えました。
試作品を作ったものの、悩んだのが黒蜜をどうするのか。
そんな中、休憩中にお弁当を食べていると中丸幸三社長の妻があるものに注目しました。
それが魚型のたれ瓶です。
黒蜜をあえて別の容器に入れてしまおうと思いつきました。
こうして1968年に販売を開始します。
するとこんな声が…
発売してすぐに業界や一般の人から「こんな非常識なお菓子は売れないだろう」と言われた。
食べるのに手間がかかる商品に対し批判が出たものの、食べるまでの過程を楽しむことがお客様の心を掴み大ヒットとなりました。
分析1・ひと手間かかる食べ方で客の印象に残る菓子に。
派生商品
さらなるロングセラーの秘密を求め研究員が見つけたのが「桔梗信玄餅生ロール」。
黒蜜ときな粉の風味を生かしたロールケーキで中には餅も入っています。
他にも黒蜜をかけて食べるきな粉風味のプリン「桔梗信玄生プリン」など派生商品を次々と販売。
それ以降、売上は右肩上がりになっています。
桔梗信玄餅が改めて地元のお客様にも見直され、全国的な知名度がさらに上がった。桔梗信玄餅そのものの売り上げがかなり伸びている。
分析2・派生商品が知名度向上と売上増に貢献。
なるべく息長く、山梨県内の人はもちろん、県芸の人にも「山梨」を感じてもらえる菓子を作りたい。