「輝く!ニッポンのキラ星 」、今回は東京・八王子からです。ベンチャーの試作品作りを請け負って業績を伸ばしている金属加工メーカーを取材しました。
株式会社菊池製作所
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東京・神田。
ベンチャー企業の イノフィスで作っているのがこのマッスルスーツ。
農業や介護施設など人工筋肉のサポートにより女性や高齢者でも重たい荷物を持ち上げることができます。
1台100万円を超える製品もある中でイノフィスは価格を15万年以下に抑えました。
2014年の発売以来人気を呼び、出荷台数の合計は1万6,000台を超えています。
開発したのは大学教授の小林宏さん。
大学の研究室では金型を作った加工をやったことがなかった。
菊池製作所はそこが得意。協力いただき参考になった。
低価格の製品化開発に大きな役割を果たしたのが菊池製作所という会社です。
東京都心のベッドタウン、八王子市は日本のものづくりを支える基盤技術を持つ製造業の集積地としても知られています。
ここにベンチャーの支援をすすめる菊池製作所がありました。
創業1970年、従業員375人。
売上は53億円に上ります。
菊池製作所の菊池功社長、
約50社の試作品や開発商品を設計から製品までトータルで作っている。
事業の柱は自動車関連や携帯電話などの試作品作りです。
転機を迎えたのはおよそ20年前。試作品事業が競争が激化し、自社製品の開発に踏み切りましたが…
自社のオリジナル商品が欲しいという社員の思いが強かった。
何点かやったが成功しなかった。一番難しいのは出口・マーケット。
一企業では売るのが難しい。
打開策として考えたのが独自のアイデアを持つ大学と組むことでした。
千葉大学の野波先生と一緒に作った日本で初めてのドローンの量産機。
大学の先生と作った会社の第一号。
これまでにない製品を現実化するのは大変な作業でしたが設計から手掛ける試作品作りのノウハウが生きました。
日本のハイテク商品の最初(試作品)をトータル的に作れる技術を持っている。
それが最大の強み。
手応えを感じた菊池社長はドローン開発を手掛けるベンチャー企業「自律制御システム研究所(ACSL)」に出資し、試作品作りだけでなく生産も請け負うなど成長を後押し。
2018年には東証マザーズへ上場。
菊池製作所はおよそ10億円の売却益を得ました。
現在19社に出資し技術支援、さらに47の大学と提携し、アイデアやスキルを活用できるネットワークを築き上げています。
ベンチャー関連の事業は資産価値にしておよそ40億円と大きく成長しています。
さらに去年11月、北海道大学初のAIカメラソリューション企業「AWL」と資本業務提携を発表。
AWLは既存の防犯カメラに取り付けるだけでお客様の行動分析などAI化できるシステムを開発したベンチャー企業。
AWLの北出宗治社長、
至る所にAIが入って行く中で新しいデバイスが生まれてくる。
ハードウエアの開発から必要になるので施策に強いパートナーを探していた。
ベンチャー支援を通じて新たな分野に事業拡大を目指します。
既存の仕事をやりながら新しいビジネスモデルであるスタートアップ企業と一緒にマーケットづくりをやっていきたい。