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[WBS]カラマツにウオッカ…!ロシア産めぐり"苦渋の決断"[株式会社キーテック]

ワールドビジネスサテライト(WBS)

ウクライナ侵攻を続けるロシアへの経済制裁として日本政府は4月19日にロシアからの輸入の禁止を発動しました。対象となるのはアルコール飲料や木材など38の品目です。これらの去年の輸入額がどうだったかというとおよそ160億円でした。ですので経済的な影響は限定的とされていますが、中には苦渋の決断を迫られる企業もあるようです。

豪華絢爛なウオッカも…!ロシア産輸入禁止で苦悩

豪華な装飾が施されたイースターエッグ。卵を開いてみると…

ラドガジャパン
小川尚酉子社長

最高級のウオッカが入っています。

中に入っているのはロシア産のウオッカです。

7,000個のクリスタルが取り付けられた特別商品でお値段62万7,000円です。

これらのロシア産ウオッカの輸入を手掛けるラドガジャパン。高級バーなどに卸しています。

ラドガジャパン
小川尚酉子社長

インペリアルエッグに魅了されて8年間仕事をしてきたのでロシアとの親交もしれなりに深めてきた。

売上げの7割をロシア産のウオッカに頼ってきましたが在庫分が尽きれば一旦取り扱いを諦めるしかない状態です。

ラドガジャパン
小川尚酉子社長

本日から輸入を規制されることで今後売り上げに影響してくると思う。
事態が事態なので先の見通しが全くつかない状況。
輸入の解禁を待つのではなく、新しい企画・商品を展開していく。

今回、輸入禁止になる品目の輸入額の合計は160億円。そのうち100億円を占め、最も影響が大きいとされるのがロシア産の木材を扱う業者です。

ロシア産木材も輸入禁止!住宅価格への影響も?

千葉県木更津市にある木材メーカーの工場「キーテック 木更津工場」。

キーテック
安徳保さん

これがロシアの木を薄くスライスした単板。

ロシア産のカラマツの原木をスライスした単板という木材。

この工場で単板を複数枚重ね合わせて接着し、住宅の梁などで使う建築資材を製造しています。

ロシア産の木材だけを使用して作った梁がこちら。その特徴は…

キーテック
安徳保さん

長さが11メートルある。
梁材なので上からの荷重に対してたわみが出てくるが、これ(ロシア産)はたわみが少ない。

ロシア産のカラマツは他の地域のものに比べて密度が濃いのが特徴で、強度に優れた建築資材ができるといいます。

仕入れる木材の25%をロシア産に頼っていたこの企業、輸入が止まり来月にはロシア産の木材が底をつく可能性があります。

日本国内を中心に代わりとなる木材の調達先を探していますが難航しているといいます。

キーテック
安徳保さん

国産のカラマツだとロシア産ほど強度は強くないので。
高強度の製品で使える部分は限られてしまう。

また私たちの生活に影響は広がる恐れも…

キーテック
中西宏一社長

ロシア産木材が入らないと心理的な影響もあるし、その分の原料を補わないといけないので他産地材の供給がタイトになる。
住宅価格が上がることになると思う。

住宅価格が高騰する可能性があるのです。

こうした事態を受け、この企業では今後、抜本的にサプライチェーンを見直す方針です。

キーテック
中西宏一社長

ロシア材の良さは認知されていたが頼りすぎるとリスクが高いと実感した。
仮にロシア材が輸入・輸出できるとなっても元の状態には戻らない。

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