ビジネス関連 ワールドビジネスサテライト

[WBS]独自技術で食感を再現!国内初!キユーピー「ほぼ卵」[キユーピー株式会社]

2021年6月18日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

黄色い具材、スクランブルエッグのように見えますが、実は卵を全く使わず別の食材で作っています。

今このように別の食材で同じような味や食感を再現する代替食品が私たちの身の回りで急速に増えています。

代替食品の開発など食とテクノロジーの融合はフードテックとも呼ばれ2025年までに世界で700兆円規模までに成長するといわれています。

この市場に挑む日本企業を追いました。

キユーピー株式会社

[blogcard url="https://www.kewpie.co.jp/"]

食品大手のキユーピー。

国内で初めて開発に成功した商品があります。

キユーピータマゴの梶聡美さん、

卵を使っていないのに卵のように食べられる「ほぼたま」という商品。

ほぼ「卵」の食感、味わい、見た目。

一体、どんな味なのでしょうか?

非常になめらかですが、半熟卵特有の舌の上でまろやかに広がる感じが、豆乳のようなまよやかな後味も感じます。

実はこの商品は大豆から作られていて、その名も「HOBOTAMA(ほぼたま)」。こだわったのは半熟感です。

卵の加工食品の製造で培った独自技術を活用し、解凍するだけで半熟状に仕上がります。

価格は通常の業務用スクランブルエッグの3倍ほどだといいますが、

卵アレルギーを持っている人が多いという状況もあるし、そのような人にもメニューのバリエーションを楽しんでもらいたい。

まずはホテルやファストフード店に向けた業務用として展開します。

健康や環境への配慮から動物性の食品を食べない人が増えていることも開発の背景にあるといいます。

食の多様性が広がっているので代替食品もこれから伸びていく。

代替食品はどれくらい広がっているのでしょうか。

スーパーを訪ねると…

ライフコーポレーションの首都圏畜産部、針生智之さん、

この春発売した大豆ミートを使った商品を並べているコーナー。

ライフは4月に首都圏の一部店舗で大豆由来の代替肉を使った商品の販売を始めました。

冷凍の春巻きやコロッケに焼くだけですぐ食べられる餃子など全部で7種類。

こちらの女性は焼売と餃子をお買い上げです。

豆を使ったもの(代替肉)が今はやっているというか、どういう感じかなと思っていた。

価格は豚肉を使った餃子が258円なのに対し、代替肉を使ったものは278円とちょっと高めですが発売から2ヵ月、売れ行きは好調です。

これまでの代替肉は後味が「大豆食べた」という気持ちになるが、この商品の代替肉は最後まで「肉食べた」という気持ち、後味が違う。

これなら売れる商品が作れると考えて開発に着手した。

本当に肉を食べた気持ちになるのか、田中キャスターが試食するのはライフで使われている代替肉、大豆が原料のミラクルミートで作られた唐揚げと鶏もも肉で作った唐揚げ。

目隠しをして2つを食べ比べます。

食感、味ともに正直どちらも肉だと思いました。Aの方が少し歯ごたえを感じました。どちらかが動物性の肉ではないということが判断が難しいです。鶏肉はBですか?

DAIZの営業促進部、佐藤真弓さん、

鶏肉の唐揚げがBで、ミラクルミートの唐揚げがA。

続いてはギョーザ。見た目ではほとんど違いが分かりません。

どちらも肉がパサパサしていないし、普段食べているギョーザと遜色ない味がします。Aが豚肉を使ったギョーザですか?

Aがミラクルミートのギョーザ。

肉に近いうま味を感じてもらえる。

田中キャスターも肉と間違えたミラクルミートを作っているのはDAIZ(ダイズ)というベンチャー企業。

作り方に秘密があると聞き、熊本県にある大豆の工場を訪ねました。

開発責任者の落合孝次さんが案内してくれたのは、

大豆を「発芽」させて肉のような味にする装置。

一般的な代替肉は植物油用に絞った後の搾りかすを原料にしていることがほとんどですが、ミラクルミートの原料は大豆そのもの。

大豆を16時間ほどこちらのタンクに入れ、発芽させることで肉のような味を引き出すことができるといいます。

発芽の条件は空気と水と温度、これらの組み合わせが数千通りある。

その数千通りをすべて試して、ある一定の法則を見つけた。

それが大豆をある過酷な条件下に置くこと。そうすることで大豆のうま味を最大限引き出すことに成功。

温度などの条件を変えることで鶏肉味や牛肉味など味の調整も可能だといいます。

30年間、発芽の研究を続ける落合さんが開発した特許技術、その名も「落合式ハイプレッシャー法」。

発芽した大豆はこの装置で圧縮し、肉の食感に似た繊維状のチップにしてうま味を凝縮します。

タンパク質の繊維ができていて、とてもおいしい。

味へのこだわりが強い日本の市場。ここで磨いたおいしさこそが世界で急拡大する代替食品市場の鍵を握るといいます。

宗教などの理由で代替肉を食べていたのが、本当においしければ「きょうはミラクルミートにする」となる。

世界一を目指そうと思っている。

大豆はこのミラクルミートで世界に打って出ようと挑戦を始めています。

手を組んだのは同じ熊本に本社を持つ味千拉麺。

今月からミラクルミートを使った餃子の試験販売を始めました。

おいしい。あっさりしている。

黙って食べていたら代替肉かどうかわからない。

中国で675店舗を展開している味千拉麺を通じてミラクルミートを中国市場に投入することも視野に入れています。

味千拉麺を運営する重光産業の吉本隆徳取締役、

中国市場も将来的な肉不足を心配している。力を入れてやっていきたい。

オールジャパンという考え方がある。日本にはまだまだ良い技術がある。

結集してフードテックをやっていくことで十分に世界と戦える。

-ビジネス関連, ワールドビジネスサテライト
-,