「経済WEEK」の特別企画。今回のチェンジは働き方です。

満員電車で週5日出勤し、残業が当たり前だった私たちの働き方はコロナ禍を経て急激に変わりつつあります。
例えばその一つがテレワークです。場所を選ばない働き方ができることに気付き、単身赴任や転勤をなくす企業も出てきています。
終身雇用や週休2日などこれまでの当たり前をチェンジし、会社に縛られない働き方を模索する人たちを取材しました。
そこから日本の反転攻勢のヒントが見えてきました。

チェンジ!働き方の常識!
望む働き方1位は…
街の人聞きました「いま望む"働き方"は?」。

在宅か出社か選べるようにして欲しい。

フレックス(働く時間が自由)がいい。

週休3日制はすごく魅力的。

50以上に人が望む働き方に挙げたのが週休3日制です。
1位 | 週休3日制 | 54.5% |
2位 | フレックスタイム制 | 35.3% |
3位 | サテライトオフィスなど | 29.6% |
6位 | 在宅勤務・テレワーク | 17.7% |

望む働き方1位「週休3日制」
大手企業を中心にすでに実施している会社がある一方で…

導入する考えはないという企業が60%に上るとの調査があります。なぜなのでしょうか?

労働経済に詳しい日本総合研究所の山田久主任研究員。
ハードルが高い。

勤務が4日なので生産性を上げないと業務は回らない。

チェンジ!働き方の常識!

週休3日で何が変わる?
4月から週休3日制を試験的に始めた会社があります。

神奈川を中心に分譲住宅を販売する建新。従業員110人の中小企業です。

建築現場にやって来たこちらの監督も週休3日を始めています。

建設業は忙しい業務なので正直「本当にできるのかな?」と思ったが全然できる。

「いつ休み?」
水曜日。

最近子どもが生まれたので子どもと妻と3人でお出かけして。

どこ行くのにも混んでいない。

週休3日が難しそうな職種ですが一体どうやって可能にしているのでしょうか?
作業中、頻繁に携帯に目をやる大工さん。
「何を見ている?」
携帯にアップされている図面。棚の数を数えている。

前は紙だった。

見ていたのは細かな指示が記された設計図。
今までは1つの現場に1つのファイルがあった。

必要な書類を探すのに時間や手間がかかっていた。

同じ図面を共有できていなかった。

これまでは図面などに変更が生じた場合、現場監督が20ほどある関連業者一つ一つにファックスやメールで伝達。連絡ミスもしばしばあったといいます。


新たにインターネットのクラウド上に図面をアップし、全員がいつでも最新状況を確認できるように変更。


これまでは頻繁に現場に訪れる必要があった監督もその回数は半分以下に減ったといいます。

天候に左右される建設スケジュールもクラウド上でそれぞれの施工業者と共有しています。

前の仕事が終わっていないと次の業者が入れない。

ジョイントロスが無くなって工期の短縮がある。

これまで1戸あたり120日ほどかかっていた工期が90日に短縮されたといいます。

建新では生産性を高めるためにおよそ2,000万円をかけてシステムを導入してきました。

例えばこんな仕組みも…
午後6時を回ると社員のパソコン画面がロック状態に。

そして…
自動的にシャットダウンされる。残業ができない制度。

焦る日もあるが朝、タイムスケジュールを立てて効率的に業務は進めることができる。

時間の制限を意識することで業務の無駄が減り、生産性は1.4倍に向上。

こうしたことも週休3日制の導入を後押ししました。

建新の大口隆弘社長。
8割程度しか自分の力を発揮できないか、100%やるかの差で2割違う。

社員のポテンシャルを上げるにはやっぱり充実したプライベート。

最終的には週休3日の方が売り上げや利益は出るのかなと。
