去年着工した賃貸用物件の数はおよそ33万戸です。そのほとんどはマンションやアパートなどの共同住宅です。このうち一戸建ての賃貸物件はわずか5,000戸あまりとなっています。ところが今この常識を覆すように新たな「戸建て賃貸住宅が続々と登場しています。いったいなぜでしょうか。
賃貸専用!戸建て住宅!「広さ求め」住環境に変化!?
8月23日に公開されたのは東京・練馬区に新たに建てられた戸建ての賃貸住宅「Kolet富士見台#03」です。
田中瞳キャスター
この物件の特徴は?

ケネディクス
市川悠さん

スマートホーム化していて最新のIoT機器を採用している。
玄関のカギは専用のアプリをダウンロードしたスマートフォンで開け閉めが可能。部屋の中のエアコンや照明もスマホで操作できます。また見守り用のカメラも設置。子どもやペットの様子を外出先からでも確認できます。
ケネディクス
市川悠さん

マンションより不便にならないようにとのコンセプト。
住む人が安心して便利な生活を楽しむことを考えて導入している。
さらに…
ケネディクス
市川悠さん

新しく導入した「ミラーフィット」。スマートミラーと呼ばれる最新のデバイス。
価格がおよそ16万円の鏡型の端末。フィットネス動画を見ながらトレーニングができます。
間取りは2LDKにサービスルームが付いておよそ83平方メートル。家賃はスマート機器が付いておよそ28万円で周辺の賃貸マンションと同様といいます。
田中瞳キャスター
なぜ「戸建ての賃貸」を展開?

ケネディクス
市川悠さん

コロナを契機にして生活する場だけではなく、仕事ができるインフラや環境が整っている機能が家に求められている。
テレワークの仕事場として利用するため部屋数が多く、広い物件を求める人が増加。しかし、首都圏の1都3県では70平方メートル以上の賃貸住宅の割合は1割程度でニーズを満たしていないといいます。
この会社では去年8月以降、3LDKの物件を中心におよそ500戸を提供。数ヶ月で借り主が決まる物件がほとんどだということです。
潜在的な顧客は1都3県で21万世帯ほど存在するとみています。
ケネディクス
市川悠さん

家族構成が変わるか分からない中、不確実な時、広い賃貸で居を構え、世帯構成が確定した時に買うか賃貸かを考える客層かと思う。
中古にも戸建て賃貸住宅!郊外では空き家対策にも…
戸建賃貸住宅を開発する動きは新築だけではありません。
武蔵コーポレーション
畠山秀徳さん

こちらの物件、築34年の戸建てで外装だけでなく内装フルリフォームした戸建て住宅。
埼玉県熊谷市に建つ中古戸建。フルリフォームしたのは投資用物件を扱う武蔵コーポレーションです。建て直すとなると1,500万~2,000万円かかりますが、リフォームだとおよそ350万円で済みます。
武蔵コーポレーション
畠山秀徳さん

この階段を見てもらえれば。
当時のものをあえて使ってクリーニングする形。
使えるところは極力残すことで改修費用を抑えます。キッチンや風呂場、トイレなどの水回りは全て取り替え新しくしました。
入居者には10万円前後で貸し出す予定ですが、この会社が始めた新しいこととは…
武蔵コーポレーション
畠山秀徳さん

当社は戸建てを買い取ってリフォームして入居者に住んでもらい、最終的に投資家に販売する。
入居者が決まると投資家に1,000万~2,000万円で売却するという仕組みです。
戸建の場合、アパートの入居者と比べ長く住む傾向があることも投資には有利だといいます。
武蔵コーポレーション
大谷義武社長

投資家にとって長期で入居してくれると比較的安心できる投資。
おそらくこのマーケットは日本全国に存在するのでは。
ターゲットは郊外に住みたいファミリー層。1年半前に始めたサービスは右肩上がりで今後の空き家対策にもつながると期待します。
武蔵コーポレーション
大谷義武社長

少子高齢化で戸建てを手放す、比較的安価に手放してもいいというニーズが出てきた。
入居者は賃貸で住みたいニーズがマッチして、これからの新しい住み方。今後1,000棟~2,000棟でやっていく仕組みづくりをしているところ。