アメリカ生まれのコーンフレーク。日本ではコロナ禍の巣ごもり需要を掴んだほか、以前は漫才のネタとしても話題になりました。
そんなコーンフレークはアメリカの人々にとってどんな食べ物なのでしょうか?
コーンフレークは時々夜ご飯になる。昨日も食べちゃった。
「もし店の棚になかったら?」
会社に電話して文句を言う!
アメリカの国民食ともいえるコーンフレークですが、実はいま食卓から消えてしまうかもしれない事態が起きています。
一体なぜなのか取材しました。
日本ケロッグ合同会社
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ペンシルベニア州ランカスター。
何やら軽快な音楽が…
こんにちは!
男性のプラカードには「賃金と手当との戦い」との文字が、一体ここは?
ニューヨーク支局の村井勇太記者。
こちらの工場はこのトラのキャラクターで有名なコーンフレークを作っているケロッグの工場です。従業員によるストライキが1ヵ月に渡って続いています。
ケロッグの従業員およそ1,400人がアメリカの4つの工場でストライキを実施。24時間体制で会社への抗議活動を行っていたのです。
ストライキ中のケロッグ従業員、ジョンソンさん。
コロナ禍で従業員たちはアメリカの朝食を支えてきた。
当初ケロッグはわれわれを"ヒーロー"扱いしたが、何かを求めた途端に"ゼロ"扱いさ。
ケロッグはコロナ禍の厳しい状況でも多くの工場を稼働し、好業績を上げました。
工場で働き続けた従業員たちは雇用条件の見直しを求めていましたが、会社側と折り合いがつかず先月ストライキに突入したのです。
ケロッグは工場の稼働を続けるためにオフィス従業員や外部の労働者を雇い対応しているとしていますが…
工場は今は何も作っていないと思う。
建物の屋根から出ている蒸気が少ないし、コーンのにおいもしない。
一部の工場は十分に稼働していないと見られ、今後数ヵ月間はコーンフレークなどの供給が制限されるとの懸念が広がっているのです。
ストライキの背景には経済再開とともに進んだインフレもありました。
アメリカでは物価が5ヵ月続けて5%以上上昇。その中で賃金が上がらないことへの不満が溜まっているのです。
物価は3~4%まで上がっているが、賃金は2%しか上昇していない。
今週月曜日、業を煮やしたケロッグの従業員たちがバージニア州のホテルに集まりました。
「どこから来た?」
ネブラスカ州オマハ。
テネシー州メンフィス。
彼らはこれからケロッグとの労働条件の交渉に臨みます。
そのケロッグの担当者がやって来ました。
「交渉はうまくいきそうか?」
それについては話せない。
ストライキからおよそ1ヵ月、初めて会社側と従業員が交渉の場につきました。
しかし…
外に出ていって。
交渉は2日間続きましたが決裂。組合はストライキの続行を決めました。
実はいま賃金アップを求めるストライキは全米に拡大しています。その件数は今年に入って189件。特に先月から急増していて今後もその勢いは続きそうです。