経団連のまとめによると大手企業の賃金は2014年から連続で2%を上回る伸びとなっています。
2014年 | 2.28% |
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2015年 | 2.52% |
2016年 | 2.27% |
2017年 | 2.34% |
これは政府が経済界に賃上げを要求する官製春闘の結果です。
2018年について政府は今年10月の経済財政諮問会議で、これまでよりもさらにアップした3%の賃上げを経済界に要請しました。
そして、これよりもさらに上の賃上げを求めているのが労働組合の中央組織である連合です。
連合は12月5日の中央委員会で2018年は4%程度の賃上げを要求する方針です。
政府の賃上げ率を上回る要請を出す連合の狙いは一体何なのか、そして経団連はこれらの要請にどう応えるのでしょうか。
一般社団法人日本経済団体連合会
[blogcard url="http://www.keidanren.or.jp/"]
来春の労使交渉においては3%の賃上げが実現するよう期待したい。
10月の経済財政諮問会議で3%の賃上げを要求した安倍晋三総理。
これを受けて12月4日、
3%の賃金引き上げという社会的要請を認識したうえで考えようと。企業同士に前向きな議論を促していきたい。
経団連の榊原会長はこのように答え、政府の要求に沿って会員企業に要請する姿勢を見せました。
経団連が3%と具体的な賃上げ水準を示すのは異例のことです。
経団連はこれまで4年連続のい賃上げを実施してきたと成果を強調します。
過去4年間、賃上げを実施している。パーセントでは毎年上がっている。金額ベースでは七千数百円、しかもボーナスも高い水準。賃上げは進んでいる。
日本労働組合総連合会
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ただ実際に賃上げを実施しているもののその効果が薄いと指摘するのは全国の労働組合を束ねる連合。
WBSのインタビューに応じた神津里李生会長は、
私どもは定昇(定期昇給)2%と賃上げ(ベースアップ)2%で合わせて4%。
神津会長が求めるのは政府の要求よりも高い4%。その内訳は年齢や勤続年数で上がる定期昇給が2%、さらに基本給を一律に底上げするベースアップが2%、合わせて4%。
ボーナスや一時金よりも毎月の賃金が重要だといいます。
ボーナスは中小企業で働く人や非正規で働く人は薄い。「そんなものありません」というところだってある。毎月の賃金が生活の基礎だから、ここが上がることが基本的な常識。
ただ問題は4%という数字ではないと指摘します。
2014年から今の賃上げの流れは始まっているが、2014年、2015年とも大企業と中小企業の差は拡大してしまった。これじゃダメだ、本当の意味での経済の好循環にはつながらない。いかに中小企業が大手企業をキャッチアップしていくか。
賃上げの動きを大企業だけでなく中小企業や地方に広げる必要があるといいます。
中小企業の昇給
実際に中小企業に勤める人は。
建設業の男性、
うちの会社は給料が上がらない。定期昇給もベアもなくて。下請けだからお客様のコストダウン要求が強い。なかなか急には給料を上げられない。
電気関係の男性。
「ベースアップは?」
ない。ここ10年近くない。
賃上げは好業績に湧く大企業が中心でその恩恵はまだ中小企業には現れていないようです。
「中小企業の賃金が上がらないと変わらない?」
神津会長は、
変わらない。地方経済の活性化に直結しているので。賃上げをどう世の中全体のものにするか問われているんじゃないかと思う。