厚生労働省は7月19日、新型コロナ感染症の抗体カクテル療法で使う治療薬を特例承認しました。
これで国内で認められたコロナ治療薬は4つ目となります。
一体どんなものなのでしょうか。

中外製薬株式会社
[blogcard url="https://www.chugai-pharm.co.jp/"]
田村厚生大臣。
さきほど本剤を特例承認しました。

あすより政府が確保した中和抗体薬を医療機関に配送を開始します。

審査の手続きを大幅に簡略化した特例承認で使用が認められた抗体カクテル療法。

去年、FDA(アメリカ食品医薬品局)に緊急時の使用が許可され、トランプ大統領が感染した際にも使用されました。

この薬はアメリカの製薬企業などが開発。2種類の抗体「カシリビマブ」と「イムデビマブ」を点滴で投与する治療薬です。

日本では中外製薬が6月末に製造販売承認を申請していました。

そもそも新型コロナウイルスは体内の細胞と結合し、内部に侵入して増殖。

この治療法では点滴に投与された2種類の抗体がそれぞれウイルスと結合することで細胞への侵入を阻止。その結果、ウイルスの増殖を防ぎ、重症化するリスクを軽減する仕組みです。


抗体が2種類あることで片方の抗体が効かない変異ウイルスに対しても、もう片方が効果を発揮できるといいます。

この承認に医療現場も期待を寄せています。
埼玉医科大学総合医療センターの岡英昭教授。
抗体カクテル療法の承認は大きいと思っている。

症状の軽い段階の早期に治療することで効果が得られる薬。

従来、この位置づけの薬がなかった。

軽症者の中でも基礎疾患がある人など重症化リスクの高い人に投与することで重症患者になる可能性を減らせるといいます。

ワクチン接種は高齢者は進んだが、40代50代には行き届いていない。

そういった人が今、デルタ株の状況では重症化してベッドを占有している。

そういう意味では存在の大きい薬だと思う。
