ジャガイモ不足で販売を休止していましたカルビーの「ピザポテト」や「ポテトチップス しあわせバタ~」など3種類、6月19日から2ヶ月ぶりに北日本や東日本で販売を再開しました。
ポテトチップスといえば長年親しまれてきたロングセラー商品となりますが、他にも半世紀以上愛されたお菓子が多数あります。子供だけでなく大人にも愛される商品が多いです。
一方で姿を消す商品もあります。8月生産分を持って東日本での販売を終了すると発表した明治のカールです。
5月末に発表されて以降、買い求める人が殺到して今でも品薄状態となるなど余波が続いています。
果たして販売再開はないのでしょうか?
そして、その他のロングセラー商品はどうやって生き残ろうとしているのでしょうか?
現場を取材しました。
カール
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都内のスーパー「アキダイ 関町本店」。秋葉弘道社長がお菓子売り場を覗いてみると
こちらでカールを販売していたが今は入ってきていない。
東日本での販売終了が発表されて以降、カールが入荷できたのはわずかに2回。入荷量も少なくすぐに売り切れたといいます。
年齢層が高い人たちがカールをまとめて買っていった。
ネット
その余波はネット上でも広がっています。
大江麻理子キャスター、
SNSを検索してみると今日もカールについての書き込みがたくさんあります。「最後のカレーカールかな」など書き込みがたくさんあります。
この他、「店で売っていた」という書き込みや「話題にのって買ってしまった」などの書き込みも、さらに、
フリマアプリのメルカリを検索してみますとカール、たくさん出品されています。
店頭では100円程度ですがメルカリでは1個300円程度から出品されています。その数、実に1,000件以上。中には10個入りのダンボールごと2,200円で出品している人もいました。
皮肉にもここにきて人気が沸騰しているカール。
今回の反響を受けて東日本での販売中止を撤回する可能性はないか聞いてみると、「撤回するということはありません」との答え。
カールの状況
昔と比べ様々なメーカーによる競争が激しい菓子業界。先ほどのスーパーで聞いてみると、近年カールは特売でもあまり売れない状況だったといいます。
「他のロングセラーの菓子と比べて何が足らなかったと思う?」
例えばポテトチップスなどは好きと言って食べる年齢層が広い。カールのイメージは子どもの食べるもので時代の流れが変わってミスマッチになってきたのではないか。
ポッキー
[blogcard url="http://www.pocky.jp/"]
一方、カールと同じ1968年に全国販売を始めた江崎グリコのポッキー。
大阪にある百貨店「阪急うめだ本店」のお菓子売り場を訪ねると長い行列ができていました。
お客様がカゴいっぱいに買い求めている商品、グリコの高級ポッキーです。
お客様は、
知らない間にファンになった。
2012年に売り出したこのポッキーの名前は「バトンドール」。パッケージにはグリコのロゴやポッキーという文字は見当たりません。
しかし、これも戦略。
江崎グリコの大森輝一さん、
百貨店でポッキーは買いたくないという調査結果が出た。ポッキーをもう一度食べてもらうという相乗効果が生まれている。
ポッキー企画グループ
こうした新商品の開発やマーケティングを行っているのがポッキー企画グループです。
毎週、他者のチョコレート菓子を食べて市場の動向を探っています。
これエリスリトール入っている?
入ってます。
それ入ると冷たく感じる。
彼らの心にあるのは、ポッキーブランドマネージャーの田中国男さんによると、
危機感はいつもある。日々研究して進化し続けなくてはいけない。
そのひとつが世代ごとの商品開発です。香料、着色料を無添加にして子育て世代にPRする商品や若い女性をターゲットにしたもの、シニア層のティータイムに合わせたものを次々と開発しています。
1990年代にピークを迎え一時落ち込んだポッキーの売り上げは2010年から右肩上がりになっています。
さらに、
夏の冷やしておいしい、楽しいキャンペーンをする。
6月20日発売のポッキーカラフルシャワー、夏に向けて冷やして食べてもらおうという新しい食べ方の提案も始めていました。
甘くないお菓子のサバイバル競争。ロングセラー商品も時代に合わせた変化が求められています。