好きなものを好きなだけ食べたいという思いを叶えてくれるのが食べ放題です。6月17日、かっぱ寿司が食べ放題サービスを拡充すると発表しました。食べ放題というと来店客が増えるイメージがありますが、企業が期待するはそれだけではありません。じわりと広がる食べ放題、その意外な狙いについて取材しました。

カッパ・クリエイト株式会社
[blogcard url="https://www.kappasushi.jp/"]
かっぱ寿司が6月17日に開いた新商品の発表会。個性的な新メニューと合わせて発表したのは…

カッパ・クリエイトの林浩二戦略本部長、
「食べホー」をランチやディナーの時間帯、全店舗で実施します。

本日よりスタートします。

新食べ放題サービス
かっぱ寿司が拡充を発表した食べ放題サービス。これまでの食べ放題は午後2時から5時の比較的来客の少ない時間帯のみで店舗も限定していましたが、6月17日から平日のランチ、ディナーの時間帯に全店舗で利用できるようにしました。


食べ放題は事前のインターネット予約が必要で、料金は税抜きで男性が1,680円、女性が1,580円。マグロやサーモンなど定番の寿司のほか、麺類やデザートなどおよそ80種類のメニューが60分間食べ放題になります。

大トロなど高価なネタも食べられるプレミアムコースもあります。

ランチタイムの食べ放題を提供している店を須黒キャスターが訪ねました。

私も食べ放題に挑戦してみます。果たして元が取れるのでしょうか?

須黒キャスター、好物のサーモンやマグロなどなんとか10皿を平らげました
ごちそうさまでした。私結構食べる方だと思いますが、それでもこれだけ食べて限界をちょっと超えているので、もしかしたら女性だとギリギリ超えるか超えないかのラインかもしれないですね。

かっぱ寿司が回転寿司業界では異例の食べ放題を導入した背景には業績の低迷がありました。

かっぱ寿司の悪いイメージ。

「安っぽい」「おいしくない」というイメージを払しょくするため。

最大手のスシローなどライバルに比べ、商品の魅力で劣っているというイメージが付いてしまい既存店売上高は10年近くマイナスが続いていました。

有名な産地のネタを提供したり、店舗を改装したりするなど改善を続けてきましたが、なかなか業績の回復にはつながりませんでした。
そんな中、かっぱ寿司を訪れたことのない人や、足が遠のいてしまった人に来店を促すため2017年に導入したのが食べ放題です。

去年1年間はやっと既存店売上高が前年対比100%を超えることができた。

食べ放題の集客効果で2018年度は10年ぶりに既存店売上高がプラスに。

来店客は、
いつもそのくらいの価格なら食べ放題にして気持ちよく食べた方がいい。

食べ放題はあったらうれしい。

お皿を見ちゃうと「今いくらか」と思ってしまうので。

値段を気にして食べる量を抑えていたお客様が食べ放題を選ぶようになったことで実は客単価も上がったといいます。
客数が5%増え、客単価も上がるので既存店売上高は6&増えると見込んでいます。

たくさん食べるのでお客様一人あたりの利益は少なくなりますが、売上げの増加でカバーできるといいます。
食べ放題をきっかけにして、ぜひ来てもらいたい。

今回発表した新商品もぜひ試してもらいたい。

株式会社鳥貴族
[blogcard url="https://www.torikizoku.co.jp/"]
いま食べ放題サービスが飲食業界で広がっています。

焼き鳥チェーンの鳥貴族は今年の3月から5月にかけて食べ放題飲み放題プランの金額を300円程度下げ、利用条件を従来の8人から4人に減らすなどのキャンペーンを実施。

これにより16ヵ月連続で減少していた既存店客数が増加に転じています。

株式会社ゴールデンマジック
[blogcard url="http://www.golden-magic.com/"]
さらに違う視点で食べ放題を始めた店もあります。
関東と関西で69店舗を展開する居酒屋チェーン「九州熱中屋」。

唐揚げ3つ。

唐揚げ3つでーす。

一部の店舗で去年からランチタイムに唐揚げと明太子の食べ放題を始めました。

その理由は…
ゴールデンマジックのブランディング部、深追文子部長、
労務とコストカットの部分で食べ放題をはじめた。

集客に加え、働き方改革と食品ロスを減らすことを目的に食べ放題を始めたといいます。

もともとランチタイムは刺身定食など5~6種類の定食を提供していました。
その後、メニューを唐揚げと明太子の食べ放題だけに絞ることで調理場のスタッフを2~3人減らすことができ、食品ロスも1日あたりおよそ2,200円分カットできたといいます。

一方、客単価は1,000円から880円に落ちましたが、客数が伸びたので売り上げはおよそ2倍に増えました。

自分の好きなタイミングで好きなモノを好きな量食べたいというニーズがある。

時代の課題とお客さまのニーズを合わせて最善の方法をできたと思う。
