カッパ・クリエイト株式会社
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9月29日に開かれた回転寿司チェーン大手、かっぱ寿司の発表会。
四方田豊社長は
私たちは回転寿司を、もっと楽しい場所にするため生まれ変わります。
リブランディング
運営会社のカッパ・クリエイト株式会社は大胆なリブランディング戦略を発表しました。
ロゴはカッパのイラストがなくなり、シンプルなロゴに変更になります。
さらに今回、付加価値の高い大トロをレギュラーメニューに追加。
早速食べてみると、
価格は180円ですが、柔らかくて新鮮な印象を受けます。
さらに10月からの新メニューを開発したのは、新たに設置されたネタ部。
「さっぽろ雪まつり」をイメージした寿司や青森のねぶた祭の山車をイメージした寿司まで商品開発を全ての部署から提案できるようにしたのです。
リブランディングの理由
かっぱ寿司が大胆なリブランディングに踏み切る背景とは?
1皿100円の値付けで成長し、2010年まで業界首位の座にあったかっぱ寿司。
しかし、競合他社がネタの鮮度などを武器に台頭。
2011年以降、かっぱ寿司はかつての勢いを失い売上高は現在、回転寿司業界で4位に転落しました。
本当はいいものを使っているが伝わらずに、安かろう、悪かろうのイメージが多かった。
カッパ・クリエイト株式会社は2014年には飲食大手、株式会社コロワイドの傘下に入り経営の効率化を目指しましたが、一度付いた負のイメージは挽回できず、16年4月期から6月期は営業赤字となりました。
「安かろう」「悪かろう」「古い」と思われていたら、いくら美味しい寿司を出しても、店に来る前においしくないものというイメージが決まっている。勝負が食事をしてもらう前に決まっている。これをひっくり返そうと。
店舗の改装
店舗の改装もリブランディング戦略の一つです。
10月1日にオープンする東京・三鷹市の店舗。
内装は以前と大きく変わり木目調の柔らかい雰囲気になりました。
また従来のテーブル席に加えて、小上り席を設置。
かっぱ寿司としては初めて畳の席を作り家族連れなどくつろいでもらえる空間を作りました。
商品マーケティング部の牛尾好智部長は
今回、小上り席もあるので、かっぱ寿司で食事する時間が、すごく楽しかったと言ってもらえれば、リブランディングは第一歩を踏み出せたのかなと思う。
チョーヤ梅酒株式会社
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一方、リブランディングに成功した代表的な企業が梅酒製造大手のチョーヤ梅酒株式会社です。
梅酒は年配の人が飲むという古風なイメージがありました。
チョーヤ梅酒株式会社はそのイメージを払拭し、若者に人気の飲み物に様変わりさせたのです。
若い女性をターゲットにCMなどを展開。
梅酒を身近に感じさせるイベントなども実施し、カクテルを始め、新たな飲み方を提案することでオシャレなイメージを印象づけました。
金銅俊二専務は
非常に飲みやすく、買いやすくするのが若い人に受ける一つの手法。オシャレに梅酒を飲みましょうと。
しかし、チョーヤ梅酒株式会社の梅酒はオシャレなだけではありません。
ある強いこだわりに支えられているのです。
こだわりの梅酒
添加物は使わない、そこがなくなればチョーヤは梅酒としての価値をなくす。
梅は長年契約してきた農家が作る、高品質な梅を使用。
添加物も一切使わず、梅と焼酎、そして砂糖だけで製造しています。
質の高い商品を作り続ける傍ら、それをベースにさまざまな派生商品を販売。
それが消費者の選択の幅を大きく広げました。
現在、チョーヤ梅酒株式会社のシェアは約30%。
今では梅酒といえば「チョーヤ梅酒株式会社」と呼ばれる強いブランド力を築き上げました。
リブランディング
チョーヤ梅酒株式会社のようにリブランディングを成功させるには?
ブランド戦略を研究する専門家の株式会社三菱UFJリサーチ&コンサルティングの鈴木ちさコンサルタントは
本質的な価値を明確にすること。あまりにも時代に合わせると愛着を持つ人が変わってしまったと離れる。ずっと同じままだと、新しい人に古臭いブランドだとみられる。
リブランディングは多くの企業が直面する課題だといいます。
どんなサービス、商品であれ、見直し見直ししていかないと陳腐化する。あらゆるところで価値の提供の仕方を見直ししているところが生き残る。