お風呂の気軽なリラックスアイテムといえば入浴剤ですよね。
34年前、入浴剤に初めてある成分を入れてNo.1ブランドとなったロングセラー商品。その開発秘話です。
花王株式会社
[blogcard url="http://www.kao.com/jp/"]
本州と北海道を結ぶ青函トンネルの先進導坑が開通し喜びに沸いた1983年、あるヒット商品が誕生しました。
お湯に入れると勢いよく泡が吹き出す日本初の発泡性入浴剤、花王の「バブ」です。
体が温まるとか、疲れが取れるような感じがする。
年間4億5,000万錠売るという入浴剤No.1ブランド「バブ」。
そのロングセラーのヒミツに迫ります
バブ
バブは花王の研究施設、すみだ事業場で三十数年前に産声を上げました。
花王パーソナルヘルスケア研究所の堀天明主任研究員、
これがバブの主要な原料、重曹と有機酸。
バブの主な原料はアルカリ性の重曹と有機酸の一種、フマル酸。この2つがお湯の中で反応し二酸化炭素の泡が発生します。
だが粉のままでは湯の表面だけで反応が起こり二酸化炭素が湯に溶けません。
そこで花王は考えました。
バブの成分を混ぜたものをプレスしている。
原料をプレス機にかけ数トンの力で圧縮。できあがったのはバブの錠剤そのものです。
錠剤にすることで湯船の底に沈み二酸化炭素が湯にしっかりと溶けます。湯に溶け込んだ二酸化炭素は血行促進、温浴効果を高めるといいます。
バブの誕生秘話
そんな花王が入浴剤の開発に乗り出したのは1970年代後半。当時、「バスクリン」と「バスロマン」というライバルブランドが強く新しい切り口の提案が求められていました。
そんな中、1人の研究員がドイツの温泉に関する論文を見つけました。
湯の中の二酸化炭素が皮膚から吸収されると血行が良くなり健康になるというのです。
しかし当時、二酸化炭素はサイダーなどに使われるごくありふれた素材。健康や入浴にはほとんど結びつかず社内からも効果を疑問視する声が多かった。
そこで研究員は社内会議の席でこんな行動を取りました。
ヒューマンヘルスケア事業ユニットの後藤芳子ブランドマネージャーによると、
ビーカーに普通の湯と二酸化炭素入りの湯を用意した。
2つの水槽に湯を張り、片方に二酸化炭素を溶かし込みました。そして左右の手をそれぞれの水槽に入れ2分程待ちました。そして手を上げるとどよめきが起こりました。
二酸化炭素の方の湯に入れた手が本人も驚くほど赤くなっていました。
血行促進が明らかに目に見えて分かった。幹部の人も納得し、せひ商品化しようと。
そして1983年、日本初の発泡性入浴剤バブが発売されました。価格は1錠あたり82円と他社の入浴剤の約8倍でしたが、温泉と同じ効能が得られるなどと評判となり爆発的に売れました。
以降、バブル崩壊の影響で売り上げは半減しましたが消費者ニーズに合わせた新商品の開発がうまく当たり、現在はピーク時近くの売り上げまで戻しつつあります。
そんな花王バブのロングセラーの極意とは?
ロングセラーの極意とは?
単に価値を訴えるだけでなく使ったお客様が価値を分かることが大事。