沖縄は観光が主な産業になっているためコロナの影響を大きく受けてしまいます。今後の沖縄の経済についてスーパーなどを経営する企業のトップに話を聞きました。
観光業回復へ期待!相次ぐ開業
コロナ前には観光収入が年間7,000億円を超えるなど観光業が経済の柱となっている沖縄県。
この10年、右肩上がりで増えてきた観光客は新型コロナの影響で激減。沖縄経済に深刻な影響を与えています。
ただ、今年の大型連休には回復の兆しも。
番組スタッフ
どこから来た?

旅行客

広島です。
楽しみ。ずっとコロナで我慢していたので。
旅行客

東京から。100万円ぐらい使っている。
大型連休中の沖縄路線の航空便旅客数はおよそ35万4,000人。1年前に比べておよそ60%増えました。
コロナ後を見据えた動きも出てきています。
「沖縄プリンスホテル オーシャンビューぎのわん」は先月開業したばかり。
沖縄プリンスホテル オーシャンビューぎのわん
浅野真由美さん

「お一人さま」でゆっくりする人が非常に多く、思いのほか需要があると気付かされた。
沖縄では今後、外資系高級ホテルなどの開業が相次いで予定されています。
コロナの影響が2年以上にわたって続く中、観光需要の本格回復に期待を寄せる声が高まっています。
「沖縄プリンスホテル オーシャンビューぎのわん」は先月開業したばかり。
土産物店

いいかげん、前のように戻りたい。安心して生活したい。
名物経営者が見た変化
地元の企業は今の沖縄経済をどう捉えているのでしょうか。
沖縄で創業して75年の金秀ホールディングス。
出迎えてくれたのは金秀グループの会長、呉屋守將さん(73歳)です。
金秀はもともとは鉄工所からスタートし、今では食品スーパーなどの小売を中心に建設業やリゾート施設の運営など幅広く事業を展開しています。
さらに…
佐々木明子キャスター

バーカウンターですか?
本社の入り口すぐの場所にある小さな店。こちらは醸造所が併設されたビールの専門店です。
金秀は今年の3月にクラフトビール事業にも参入していました。
金秀グループ
呉屋守將会長

もうコロナゼロの時代は来ないと思う。コロナと一緒に住みながらやる。
長年、さまざまな事業を手掛けてきた呉屋会長、今の沖縄をどう見ているのでしょうか。
木明子キャスター
沖縄の最近の状況はどうか?

金秀グループ
呉屋守將会長

基地問題、経済問題、政治問題、そういったものを含めてわれわれが取り組んできた総合的な答えが今ある。
昭和45年5月15日午前0時。
佐藤栄作総理(当時)

沖縄は本日、祖国に復帰致しました。
1972年5月15日に27年間に渡るアメリカの統治を終えて日本に復帰した沖縄。
復帰からおよそ3年後に沖縄国際海洋博覧会が開催されました。国内外から人を呼び込むためホテル開発やインフラ整備のための莫大な公共投資も行われました。
復帰後、政府は沖縄県の振興を目的に沖縄振興予算としてこれまで総額13兆8,000億円を投じてきました。
そして2000年には沖縄でサミット(首脳会議)が開かれ、国際的な知名度を上げました。
金秀グループ
呉屋守將会長

観光だけではコロナでも見られたようにリスクがありすぎる。
自然はきれい、伝統芸能も文化もいい、だけどそれだけではだめ。
木明子キャスター
50年で変わったこと、変わらなかったことは?

金秀グループ
呉屋守將会長

変わらなかったことは先を展望して計画を作り責任感をもって実行する人・組織がない。
50年間つぶしてきた。
県民の暮らしに目を向けると1人当たりの県民所得は全国で最も低く、全国平均の7割ほどとなっています。
金秀グループ
呉屋守將会長

今の低落ぶり、県民平均所得239万円、日本一ビリ。
今後、50年については。
金秀グループ
呉屋守將会長

復帰前50年、復帰50年、次の50年どうするのか。今は新しい時代なので情報量とアイデアを生かして新しい産業、何かは私も分からないが、そこに沖縄の活路があるのでは。